辻調理師専門学校: これがフランス料理だった
お客としてフランス料理を楽しむぶんには、「フランス料理って何だろう?」などと、真剣に悩む人はあまりいません。でも、私たちのように「フランス料理」を専門的に教える立場にたつものは、この疑問に日々直面することになります。「本場のフランスでは何がフランス料理なんだろう」というのも答えを探すひとつの方向です。「昔はどうだったんだろう」これも、決して忘れるわけには行きません。現在フランスで活躍する錚々たるシェフたちの言葉に耳を傾けてみましょう。「料理というのは新しければよいのではなく、根底にクラシックがあり、そのうえで時代とともに変わるものです」「やはりクラシックの基礎を大切にはしている。それがないと発展性がないでしょう」「料理自体に対するアプローチは、まずクラシックなもの。そのうえで自分自身を出そうとしている」「設備が新しくても、料理は新しいテクニックを使うわけではない。伝統は伝統です。しかし、今の若い人は何も知らないことが多い」(順に、ゲラール、エーベルラン、ガニェール、デュカス。『ヨーロッパ天才シェフ群像』より)彼らの考える料理の基本は、何のことはない皆同じ言葉、つまり「クラシック」です。「フランス料理って何だろう?」と緊張している学生たちに、私たちの学校でまず基礎として教えるのが、まさにこのクラシックなのです。高級フランス料理の起源はルイ14世時代のパリにさかのぼります(イタリアではありません、念のため)。ただし、実際に、「クラシック」として現代の料理の基礎になっているのは今世紀はじめの調理技法です。ここで、エスコフィエという偉大な料理人が登場します。このエスコフィエの時代から今日にいたるまでの伝統ある古典料理を、私たちの学校のフランス料理主任教授たちが、それぞれの切り口でご紹介しようというのが、このページです。ついつい新しい料理ばかりに目を奪われがちな日常を離れて、たまには、レストランのメニューには載っていない「ちょっと古いフランス料理」を、インターネットでお楽しみください。「辻調」こと「辻調理師専門学校」でお馴染みの「辻グループ校」のオリジナルホームページです。