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料理の基本用語

パン

キーワード

状態

用語

オーブンスプリング(窯のび)

解説

オーブン内でパン生地が膨らむこと。
オーブンに入った生地の発酵は生地温度が60℃くらいになるまで続きます。発酵によってできた炭酸ガスの気泡が加熱されてさらに膨張するのにともなって、それを包んでいるグルテンの膜も伸びてパンのボリュームを大きくします。

キーワード

構成

用語

クープ

解説

窯入れの直前に生地の表面に入れる切り込みのこと。また、その操作のこと。パンを平均的にボリューム豊かに焼き上げるのが主な目的です。

キーワード

構成

用語

クラスト

解説

パンの表皮。

キーワード

構成用語

用語

クラム

解説

パンの内側のやわらかい部分。

キーワード

工程

用語

クリーミング

解説

リッチな配合の生地をミキシングする際、よりソフトな生地に仕上げるためにあらかじめ油脂、砂糖、卵などをホイップして空気をふくませておくこと。ベーシックスイートドウ法ともいう。 

キーワード

状態

用語

ケーブイン

解説

パンの腰折れのこと(側面が折れる)。
大型で、焼き型に入れて焼いたパンに起こりやすくなります。原因として焼成不足、パン生地がやわらかすぎること、焼き型に対するパン生地の重量が適切でないことなどが挙げられます。直接の原因としてはオーブン内の高温で焼き上がったパンが冷める間に、パンの内部にある水蒸気が外部に出てパンのクラストが湿って柔らかくなり変形しやすくなることです。これを防ぐには、オーブンから出した直後に型ごと作業台の上に落として(ショックを与える)から型から出すとよいでしょう。パンのなかの水蒸気を早い段階で放出させ、クラストの湿り気を少なくするとともに、クラムの部分の小さい不安定な気泡の膜を潰して丈夫な膜にする効果があります。

キーワード

状態

用語

こね上げ温度 仕込み水温度

解説

捏ね上がった時の生地の温度。通常のパンでは24℃〜30℃に捏ね上げることが多くなります。生地の温度は発酵時間に影響し、工程を管理するための重要なポイントとなります。焼成時に生地の温度が最もイーストが活動する32℃〜35℃になるように設定します。捏ね上げ温度は室温、材料の温度、ミキシングの時間などによって左右されますが、そのなかでも水温を変えることでコントロールするのが最も安易な方法です。仕込み水温の求め方....大まかな仕込み水温を知る目安として利用されている方程式があります。
水温=3(生地のこね上げ温度-摩擦係数)-(粉温+室温)
摩擦係数とはミキシング中の摩擦による生地の温度上昇分。
冬場は室温が下がり、それに応じて粉温も低くなるので温かい仕込み水を使用します。しかし、イーストは45度以上になると死滅しはじめてしまうため、極端に仕込み水を高い温度にするわけにはいきません。そのような場合はミキサーボールを湯煎して温めて生地温度の調節をしなければなりません。逆に夏場は室温も粉温も高くなるため温度の低い水を使用しますが、仕込み水を限りなく0度に近くしても、こね上げ温度が高くなる場合は、配合するその他の材料を冷やしたり、ミキサーボールの周りを氷水で冷やして生地温度を調整します。

キーワード

発酵種

用語

サワー種

解説

ライ麦パンを焼き上げるために必要な発酵種で、ライ麦粉と水を混合して数日間かけて種を起こします。種に毎日、粉と水を継ぎ足していくと次第に酸化し、芳香が生じてきます。適度な酸化と香りが良くなった時点でパン生地をつくります。焼きあがったパンには適度な酸味と豊かな風味が残ります。

キーワード

酵母

用語

自家製酵母

解説

イーストを穀物や果物などから自家製でつくる方法です。素材の中で安定度が高いのはレーズン、ヨーグルトです。
基本的な作り方はまず、素材と水とを混合して液種を作り、一定の温度のところに3〜4日放置します。中の液体が発泡すれば混合液を漉して小麦粉と混ぜ合わせ、発酵種に仕上げます。これを本こねに加えてパン生地にし焼き上げます。発酵種の段階で生地の発酵が不足していれば、1〜3回の種継ぎをし、酵母の増殖をはかります。

キーワード

用語

焼減率

解説

焼成したときに減った重量を分割した時の生地の重量で割った数字を百分率で表わしたもの。
焼減率=(分割重量-焼成後のパンの重量) ×100           分割重量
パン生地中の水分の蒸発などがどの程度あったかを示し、りパンの焼き具合を判断する基準にもなります。

キーワード

状態

用語

すだち

解説

焼き上げたパンの断面に見える気泡の跡のこと。気泡が小さく、均一になっていることを「すだちがよい」といいます。

キーワード

製法

用語

ストレート法

解説

パン生地の製造を1回のミキシングで行う方法です。
工程はミキシング-発酵-分割-成形-ホイロ-焼成の順になります。配合された材料を一度にこねますので作り方がシンプルになり、わかりやすい工程といえます。発酵時間が比較的短く、配合された素材の風味を出しやすいのが利点です。発行時間が短いことは小麦粉と水の調和が不充分で生地の伸展性が悪く、パンの硬化もはやくなります。生地にゆとりがなく、それぞれの工程を確実に行わないと、すぐに不良品が焼きあがります。この製法は生地を丹念に取り扱うリテイルベーカリー向きです。

キーワード

仕事

用語

ドレ

解説

焼成前の生地の表面に溶き卵を塗ること。
卵黄に含まれる黄色い色素(カロチン)の効果でパンの焼き色が黄金色になるのと、卵白に含まれるタンパク質が空気に触れたり加熱されることによって薄い膜状になり、パンの表面に艶を出す効果があります。全卵を使用した場合に焼き色や艶が強すぎる場合は水で薄めて使用するとよいでしょう。

キーワード

工程

用語

パンチ(ガス抜き)

解説

発酵の途中で生地を発酵容器から取り出し、軽く押さえてガスを抜き、折りたたんで発酵容器に戻し、再び発酵させる作業。次のような効果があります。

1.パン生地中にある大きな気泡を多数の小さな気泡に分散させ、パンのすだちがきめ細かくなる。2.生地に圧力を加えることにより、グルテンを刺激し、グルテンの膜が膨れて行くときの張力(抗張力)を強化する。その結果、パン生地がふくらみやすくなりボリュームが出る。3.アルコール類を放出し、新たに空気中の酸素が生地に入ることにより、イーストの活性を強める。これにより炭酸ガスの発生が増し、パンのボリュームが出る。


キーワード

製法

用語

発酵種法

解説

パン生地の製造を2回以上のミキシングで行う方法です。
1回目のミキシングで発酵種を作ることからこの名前が付いています。中種法もこの発酵種法のひとつといえます。
パンの味の点では発酵時間が長くなるので発酵副産物が増え、風味豊かなパンになるとともに、パンの硬化もおそく、比較的長持ちするパンが得られます。
工程では生地の伸展性がまし、成形しやすく、生地の膨張も良くなります。また、時間的なずれにも対応性があり、つくりやすい製法といえます。
欠点は時間が長くかかり、製法が複雑になることと、クラムが柔らかく、歯ごたえがないなどです。

キーワード

用語

ベーカーズパーセント

解説

パン作りの材料の配合を百分率で表わした表示法。一般の百分率と違い、配合中の粉の重量を100%としてその他の材料を粉に対する割合で表わします。

例)食パン
強力粉  100.0%  1000g
砂糖     5.0%    50g
塩      2.0%    20g
脱脂粉乳   2.0%    20g
バター    6.0%    60g
イースト   2.0%    20g
水     70.0%   700g 

このように小麦粉1Kg使用して生地を作る場合、「生地1Kg仕込み」と呼びます。     

キーワード

製法

用語

ポーリッシュ法

解説

19世紀ポーランドで始められたといわれています。その後、ウイーンを経由して1860年頃パリに伝えられたようです。柔らかい種を利用するところから液種法とも呼ばれています。液種は発酵がはやく、香味成分も多いので、風味豊かなパンに焼きあがります。生地の伸展性もよく、ボリュームも出ます。
配合の小麦粉の20〜40%を同量の水と発酵時間に合わせた量のイーストを混合して、生地をつくります。生地は発酵後2時間から使用可能になりますが、前日夕刻に生地を仕込み、翌朝から本こねするのが一般的です。発酵時間はイースト量の調節や塩の添加、発酵温度の調節などで48時間まで延長することが可能です。

キーワード

製法

用語

フォアタイク

解説

前生地(発酵生地)を意味し、19世紀頃ドイツではこのフォアタイクを使った製法でパンが作られていたようです。配合の小麦粉の20%〜50%までをつかって発酵生地をつくり、熟成させた後、本こねする製法です。

小麦粉と水の調和を高め、パンの香りを改善し、生地を安定させることが目的です。

キーワード

工程

用語

ベンチタイム

解説

生地の分割、丸めのあと、弾力が強くなって伸ばしにくくなった生地を休ませる時間のこと。発酵活動の一部であり、生地が膨張することによって弾力が低下し、伸展性が良くなります。時間はパンの種類や生地によって違ってきます。生地の弾力がなくなれば成形に移れます。

キーワード

工程

用語

まるめ

解説

分割の後、発酵した生地のガスを抜き、表面に張りをもたせ、球状にすること。生地に刺激を与えることによって、中の気泡は均一になり、パンチと同様に生地の抗張力が高まり、ボリュームがでます。

キーワード

用語

リッチ リーン

解説

リーンという言葉は「簡素な」「脂肪のない」というような意味、リッチという言葉は「豊富な」「こくのある」というような意味があり、パンの呼び名に使われることがあります。パン作りに最低限必要なのは粉、水、塩、イーストの4つの主原料ですが、この配合に近いものほど「リーン」な配合、卵やバター、砂糖、乳製品などの副材料が多いほど「リッチ」な配合といわれます。一般に堅焼きパンとよばれるようなフランスパンなどの食事用パンはリーンな配合になっており、小麦粉の焼けた香ばしい香りや発酵の風味が十分に引き出され、料理との相性もよくなり主食としてのパンとなります。逆にリッチな配合のパンは副材料にパン生地を柔らかくする性質を持っているものの効果で甘く、柔らかく、ふっくらとした焼き上がりになります。

キーワード

用語

ルヴァン

解説

Levain=フランスで発酵種のことを指します。
イーストで種を起こしたものはlevainlevure(ルヴァン・ルヴール)、残し生地を利用したものはlevain mixte(ルヴァン・ミクスト)、自家製酵母を使ったものはlevainnaturel(ルヴァン・ナチュレル)と呼びます。
パン・トラディショネルの製造にはルヴァン・ミクストが採用されています。


























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