日本料理




            
キーワード だし汁
こつ かつお節を加える前にチョットの水
解説
だしを引くとき、かつお節はグラグラ煮立った中に入れるとだしが濁ったり、 香りが飛んだり、余分な味(渋味やえぐみ)が出てしまいます。 ですから、かつお節を入れる前に盃一杯程の水をさして沸騰をおさえたところに入れて下さい。そしてすぐに火を止め、静かに、半ばかつお節が沈殿するまで待ってこします。とにかくタイミングが大事です。



キーワード だし汁
こつ ネル地に残ったかつお節は、絞るな
解説
だしをこし終ったあと、ネル地の中にだしガラのかつお節が残りますが、もったいないからといって決して絞らないで下さい。せっかく慎重においしいだしを引いても、最後に絞ってしまうと余分な味が入ってしまい、だいなしになってしまいます。ですから、だしを引くときはあまりけちけちしないように。その方が、おいしい料理ができますよ。残ったかつお節は、砂糖と醤油で甘辛く煮れば、ご飯のおかずになります。


キーワード だし汁
こつ だしは、ネル地でこす
解説
どんな場合のだしでもそうですが、こすときになるべく目の細かい布を使った方が、もろもろとした余分なものがだしの中に入ることなく、澄んだきれいなだしが引けます。その布地は、必然的にネル地ということになります。タオル地とかさらしの布巾でもだめですよ。そしてこのネル地はだし専用にし、他のことでは絶対に使わないで下さい。使い終ればきれいに洗って充分乾かしておいて下さい。


キーワード だし汁
こつ 水の味でだし汁は変わる
解説 だしを引くとき、できたら水にもこだわって下さい。水道水には、消毒殺菌のために数種の薬品が使われています。この薬品の臭いがだしに混じると、どうしても微妙なだしの香り、うま味が消されてしまいます。料理屋さんによっては、だしを引くときだけは、ミネラルウォーターを使ったり、最近はやりのアルカリイオン水を使ったりするところもあります。ご家庭でも試してみてはいかがでしょう。カルキの臭いのするだしはおいしくありません。だしは、料理のすべての基本ですから、たかがだしと思わずこだわって下さい。こういうことが本当は一番大切なのかも知れません。


キーワード だし汁
こつ 日本料理のだし汁は、作りおきがきかない
解説 昆布にしろかつお節にしろだしじゃこにしろ、日本料理のだし汁の素材は、手間をかけ、長いものでは3ケ月もかけて完成します。しかし、だしを引きだしたらアッという間にできあがります。これが日本料理のだしの特徴です。
フランス料理のだしのように、子牛の骨を何時間もかけて焼き、そのあと、何時間もかけて煮込むことを考えたら、日本料理のだしの作り方は、何と素晴らしい知恵のたまものでしょうか。先輩の知恵にただ驚くばかりです。
しかし、その代わり、だしの作りおきはできません。せっかくの香りが消えてしまい、味そのものも落ちてしまいます。冷凍するなんてもってのほかです。だしを引くのにそんなに時間はかかりません。「一度にたくさん引いておいて・・・」何て考えずに、こまめに引いて下さい。特に夏場の暑いときは、腐りますから充分注意して下さい。


キーワード だし汁
こつ だしじゃこは、水から入れて沸騰前に引き出す
解説 まず、だしじゃこは、頭と腹の部分を指先でていねいに取り除いて下さい。面倒ですが、こうすることで嫌なえぐみや苦味が出にくくなります。つまり煮くずれしやすい部分をあらかじめ取り除いておくのです。そして、水から入れて火にかけ、沸騰直前まで温度を上げてこします。これがおいしいだしを引くコツです。かつお節と同様に、グラグラ煮立たせると余分な味まで出てしまいます。特有の生臭みが気になる人は、こす前に、鉄の箸をまっ赤に焼いておいて鍋の中に入れて下さい。これで生臭みは消えます。味噌汁やうどん、そばのだしには、これは、もってこいの味ですよ。お試し下さい。

キーワード だし汁
こつ だし昆布は、水に浸けるだけが一番
解説 昆布のうま味は、グルタミン酸とマンニットによるものですが、そのほかにも水に溶けだしてだしの味を落とすような成分がたくさん含まれています。例えば、アルギン酸という炭水化物は、ぬめりのもとになります。昆布に多く含まれるヨウ素も、2時間水に浸けたあと、30分の煮沸で約85%が溶け出し、さらに色素も出てしまい、水が黄色みを帯びてきます。だし汁の方へうま味成分だけを引き出して、その他いらないものの溶け出しを防ぐには、絶対に沸騰させてはいけません。しかし浸けておけばよいというものでもありません。夏ならば2〜3時間、冬ならば4〜5時間でよいだしが取れます。昆布の量は、水に対して一割程度の重さがよいです。買う時は、充分乾燥しているものを選んで下さい。


キーワード だし汁
こつ 昆布は絶対に煮たててはダメ
解説 だし汁の方へうま味成分だけ引き出して、その他いらない成分が溶け出るのを防ぐには、絶対に煮沸させてはいけません。昆布は加熱を続けるとすぐに柔らかくなってしまうからです。このような理由で、昆布のだしを取る場合は、水に浸けるか、加熱しても沸騰の前の数分間だけにとどめて下さい。沸騰させないように注意して下さい。


キーワード だし汁
こつ 鶏ガラや生の魚でとるだし汁には、爪昆布を使う
解説
爪昆布というのをご存じですか。これは、昆布の根元の一番固い部分です。ちょうど、爪のような形になっているのでこの名があります。爪昆布の特徴としては長く煮込んでも煮くずれしない、余分な味、ぬめり、色が出にくいなどが挙げられます。普通のだし昆布に比べて昆布のうま味そのものは少ないですが、鶏ガラや生の魚でだしを取る場合には充分ですから、ぜひお使い下さい。


キーワード だし汁
こつ 昆布は、白い粉が吹いているものがおいしい
解説 だし昆布の表面は、うっすらと白い粉が吹いたようになっています。これは、ほこりや汚れではありません。マンニットというもので、昆布のうま味はこの粉の部分にあり、たくさん吹いているほどおいしいといえます。ですから使う前に決して水で洗い流さないで下さい。表面を固く絞ったぬれ布巾で、軽くふく程度にして下さい。これで充分です。よく乾燥した白い粉がたくさん吹いている昆布を求めて下さい。そうでないとおいしいだしは引けませんよ。


キーワード だし汁
こつ 昆布・かつお節・だし雑魚の保管は缶
解説 昆布・かつお節・だし雑魚の保管は、なるべく湿気の少ない低温の場所にしましょう。湿気を含むと、だしを引いたときに生臭みが出やすい上、味も悪くなります。こうさせないためには、缶に入れて保管するのが一番です。せっかく上等なものを購入しても、保管が悪いとだいなしになるので注意して下さい。





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