OSAKA

辻調理師専門学校

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「食品と栄養」の授業での取り組み "メニューコンテスト"を実施し、優秀メニューを職員の昼食として提供

調理師本科
調理技術マネジメント学科

2025.04.03

4月、暖かい季節を迎え桜の開花もみられるようになってきました。
新年度が始まりましたね。新しい仲間との出会いの季節です。

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
この辻調理師専門学校でも新入生を迎える準備をしているところです。


どんな料理を学ぶのかな?おいしい料理作れるようになるかな?
おいしい料理たくさん食べることできるのかな?など期待に胸を膨らませているでしょうか??
私たちと一緒においしいものに囲まれて過ごしていきましょうね。

ところで、料理はおいしいことがとても大切ですが、おいしいだけで良いでしょうか?
私たちは毎日食事を摂り、その食事から栄養素を摂って生きています。
栄養素の摂り方によっては病気になってしまうこともあります。
そのため、料理にはおいしさだけでなく健康に配慮した側面も必要です。

SDGsには「すべての人に健康と福祉を」という目標があります。
調理師にはこの役割を果たす義務があります。
そのため、本校では「食品と栄養」という科目で
栄養素と体の関わりや、病気を予防・改善するための食事について学び、
食事のレシピを考案する授業を行っています。
今回はこの授業についてご紹介したいと思います。

みなさん、食事と関係性の強い病気というと、何を思い浮かべるでしょうか?
・・・
多くの病気が食事と強い関係性を持っていますが、
その中でも特に肥満、高血圧症、糖尿病、脂質異常症、骨粗鬆症、貧血は栄養素の摂り方が直結する病気です。
本校ではこれらの病気について学びます。
主に以下のような内容を学びます(詳しい内容は入学してから!)。


ここで、大切なことがあります。
病気を予防・改善するためのメニューと聞くと、
どうしてもおいしさが半減した物足りない食事をイメージされてしまいがちです。
たとえ健康的なメニューであっても満足感がなかったり
おいしさが半減した食事では、お客様は食べてくれません。
そのため、おいしさを保ちつつ病気を予防・改善できる食事を考える、ということがとても大切です。
授業ではこの面についても学び、メニュー考案に活かしていきます。

「食品と栄養」の授業ではこれらをふまえて "メニューコンテスト"を実施しました。
コンテストでは、グループごとにテーマにそった病気を予防・改善するためのメニューを考案していきます。
コンテストで優勝したグループのメニューは先生たちの昼食として提供されます。
先生たちに自分たちの考えた料理を食べてもらうなんて、緊張しますね・・・!


投票で優勝したグループについては、試作に進みます。
本校では職員食堂は「東テスティパル」さんに委託、提携していますので、
学生が試作した料理を東テスティパルの調理師にプレゼン、試食をしてもらい、実際に提供していただきます。

さまざまな課題を乗り越え、実際に提供されたメニューはこちらです!

今回優勝したメニューは骨粗鬆症をテーマにしたものでした。
骨を作る栄養素であるカルシウムやたんぱく質を摂多く含む食品を使用、
カルシウムの吸収を良くするビタミンDを含むきのこや魚を使用しています。
さらに、肥満予防に役立つ食物繊維を含む食材として五穀米も使用しています。
実際に食べた職員の方からは、「おいしい」「年に数回このようなイベントをしてほしい」
などの意見をいただき、大好評でした。

食事は私たちの体を作る大切なものです。
毎日どのようなものを食べるかによって明らかに私たちの体は変わります。
しかしながら、少しずつ世の中は変わっているものの、
まだまだ健康的な食事に対してマイナスイメージを持つ人々はいます。
健康的でおいしい食事を作ってくれる調理師が増えることは今後の社会においてとても重要であり、
調理師を目指すみなさんには既成概念にとらわれず前向きな気持ちで頑張ってほしいと願っています。

~プロフィール~
辻調理師専門学校 専門講義科目グループ
畑川 美耶子

担当授業「食品と栄養」「栄養学」   石川県出身
6人の石のグループを応援しながら各地でレストランやパティスリー、ブーランジェリーを巡る毎日