辻調理師専門学校: 料理に国境はある
プロの料理が成立するには、食材の安定確保や利潤の追求など、作り手としての様々な問題をクリアし、さらに、流行や客の要望に合わせて基本の料理からの変化にも対応しなければなりません。情報の豊かさゆえか、恒常的に料理オリンピックが繰り広げられている日本では、凄まじいスピードで料理の質も形状も変化しております。勿論、本家のヨーロッパにおいても、元々の料理を探し出すことは簡単ではないのですが、基本的に自国の伝統料理を食べており、私達がその国の料理を学ぶ上でとらえやすい、明確な輪郭と主張を保った料理が多く残っております。「料理に国境はある」では、それらの料理の中から幾つかを紹介し、イタリアを中心に、ヨーロッパの料理を料理技法や食材などの観点から学習することがテーマとなっております。取り上げる料理は、素材より入っていきますが、一般的に言われている“ お気軽イタリア料理”から、“そこまでするかフランス料理”まで幅広く、少しずつ進んでゆくつもりです。料理の作り方は、かなりの厳密さをもって行なうつもりですが、美味しい物を創りたいと思う、作り手の勝手な倫理が一人歩きするかもしれませんし、私自身の認識不足から客観性に乏しい分析になるやも知れません。そこに、読者の皆さんのご意見をお聞かせ頂いて、楽しいページにしたいと思います。ともあれ、美しき異文化を学ぶ楽しさが永遠に続きますように、これからも大きな変化をせずに「料理に国境があって欲しい」と願うばかりです。本多 功禰「辻調」こと「辻調理師専門学校」でお馴染みの「辻グループ校」のオリジナルホームページです。