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江戸料理の特徴 その三……味のルーツ

杉浦
関東と尾張・三河あたりは同じ料理文化圏と考えていいのですか?

永山
むしろ三河武士が関東料理を作ったといってよいでしょうね。徳川家康が江戸に入る時、豆味噌を持って来る。江戸は小さな漁村でしたから、一行が移住する時に郷里から持参してきた味が江戸スタンダードになったのだと思いますよ。

杉浦
では、濃い味のルーツは味噌と考えてよいのですね。

永山
そうですね。豆味噌の次に出てくるのが、伊達政宗の仙台味噌です。政宗は日本で最初に味噌蔵を作った人で、それをお塩噌(おえんそ)蔵といいます。「塩」の文字が最初にきていますから、かなりしょっぱかったんでしょう。それが江戸っ子にかなり歓迎され、どんどん送ったという記録が残っています。時代が段々下ってきますと地方から人がたくさんきますから、三河の味噌だけでは満足できない人も出てくるのです。特に東北の人は。東北というのは米こうじ味噌です。しょっぱさの中にも甘みがある。それが一気に有名になります。その次に出るのが信州味噌です。東北の味噌に似ています。こういった味が260年も続くのです。100年は昔でいうと四代です。同じ味を長年食べていれば、慣れていくでしょう。そういうふうにして文化が入ってきたのです。上方と全然違いますよね。
江戸は新しい町です。出稼ぎの農民などがたくさんやってきました。武士などはもともと農民上がりが多いですから、江戸の町は濃い味が好みだといえるでしょう。

 

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江戸料理の本質に迫る




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