関西の「うどん」に対して、関東で引き合いに出されるのが「そば」です。関西の人にとっては、そば屋というのは軽い食事のイメージがありますが、関東のそば屋というのは「お酒を飲む場所」です。卵焼きや板わさなどをあてに酒を飲み、最後のしめにそばを食べるという形式。店によって使う粉や、そばつゆの味が違い、それぞれのお店が個性を出して作っています。ゆえに、奥が深いと言われるのでしょう。「ひきたて(の粉を使う)・うちたて・ゆでたて」をそばの三たてと言い、本当においしいそばを作ろうと思えば、かなりの手間がかかります。元は庶民の味であったものが、ずいぶん高級な食べ物として定着しているのには、こういう理由があるのです。
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