GASCOGNE(ガスコーニュ)
昔から交通不便なこの地方は、アンリ4世出生の地ポー城が地上32メートルの丘の上にある。ガーヴ・ド・ポーの清流を渡り、ようやく上がった所が有名な延々たるピレネー街道だ。眼下の川波のうねりを越えて近くは丘陵また丘陵、その背後にピレネーの連山が長く遠くそびえ立つ。その頂上から手前が底部ナヴァール王領でダルブレ公家に属し、その反対側はスペイン領だ。何処からやってきたか謎とされるバスク人の一部分が6世紀頃この山嶺を越えてダルブレ公領内に下りて来て、やがてそれに続くガスコーニュにまで広がった。ガスコーニュの名はBasques(バスク人)→Vasques→Gasquesと転訛したもの。
朝日百科 世界の食べ物 全巻14巻・別巻2発行:1984年3月10日 編集・発行人:野沢 敬発行所:朝日新聞社
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