今回のテーマケーキは、小野さんが兄・啓介夫妻との和解後に、「ウソついて結婚式を欠席した」のでと二人のために作ったクロカンブッシュでした。クロカンブッシュは通常よりやや小ぶりに作ったシューを、飴をつかって円錐状に積み上げた、フランスでは一般的なウエディングケーキ。クロックとは「カリカリした」の意、ブッシュは口のこと。 今回のアンティーク特製クロカンブッシュの特徴と言えば、もちろん周囲を飾る圧倒的に美しい飴細工の数々。制作中の厨房シーンで小野が作っていたのはリボンでした。色違いの飴を何層にも重ね一気に引き伸ばすことで、細い縞の入った薄い薄いリボンができあがります。そのほかにバラの花、和解が花言葉の「すずらん」などで周囲が覆われ、上には同じくすずらんの花と羽根をかたどった飴細工が飾られていました。また、これもよく結婚式の引き出物や子供の出産祝いに贈られる「ドラジェ」(アーモンドに固い糖衣をつけたもの)がシューとシューのあいだに飾られています。シューそのものにも工夫がこらされていて、中のクリームも4種類、というスペシャル版。表面にあられ糖をまとっているのがバニラクリーム、緑のピスタチオナッツが中もピスタチオクリーム、刻んだアーモンドがまぶしてあるのが、プラリネ(ナッツ風味の)クリーム、そして何も付いていないのがチョコレートクリームでした。
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