日本料理
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乾物、塩蔵品、加工品の扱い方
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こつ |
からすぎるイクラは水で洗う
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解説
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イクラは鮭の卵です。独特の口当りが何ともいえません。そしてあの色で、食欲がわいてきます。普通、イクラを買うときは、塩漬けの状態です。時期によっては、生の筋子(すじこ)が出回りますが、使うのは、ほとんどの場合、塩漬けの方でしょう。当然、塩抜きをしないと塩からくて食べられません。塩抜きの方法は、まず、水(ぬるま湯)で、さっと洗います。完全に塩分を抜いてはいけません。全く塩気がないと食べにくいので少し残し、ざるに上げて下さい。このままでは水臭いので、今度は酒で洗います。こうすれば完璧です。塩気を全部抜いてしまわないように注意して下さい。
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乾物、塩蔵品、加工品の扱い方
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こつ |
かつお節は削りたてが命
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解説
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削りたてのかつお節は、とてもよい香りがします。日本料理の基本の香りだといってもいいすぎではないでしょう。でも、この香りも、かつお節を削って時間がたてば、どんどんにげていきます。かつお節は昆布と同様、うま味を持っているものですが、同時に、香りも大切です。だから、削りたてにこだわります。最近では、真空パックのかつお節が市販されているので、とても便利になりました。
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乾物、塩蔵品、加工品の扱い方
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こつ |
こんにゃくは塩もみとゆでで味が決まる
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解説
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こんにゃくは簡単にいうと、原料のこんにゃく玉を薄切りにして干し、粉末にしたものに水と石灰を加えて固めて作ります。95%は水分です。このままでは中々味が入りません。また、生のこんにゃくには、独特の石灰臭があります。これを抜かないと食べられません。料理をするには前もって、こんにゃくにたくさん塩をまぶしてもみます。こうすると水分が浮き出ます。5分くらいおいて、そのまま熱湯で5分くらいゆで、完全に火を通して下さい。そのあと、おか上げといって水に落とさずざるに上げ、そのままさ冷まして下さい。これである程度の水分と臭いが抜けます。そして、より弾力のあるこんにゃくとなります。
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乾物、塩蔵品、加工品の扱い方
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こつ |
こんにゃくは切るよりもちぎる
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解説
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こんにゃくは、表面がツルッとしています。包丁で切ると、切り口がすべすべになるので、調味料が流れて味がうまくつきません。そこで、調味料がひっかかって味が染みやすくするには、手でちぎるか、ギザギザをつけて切るとよいのです。手でちぎると表面がザラザラとした状態になり、しかも、表面積が大きくなります。包丁でギザギザに切ったり、スプーンでかき取ったりしてもよいでしょう。
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乾物、塩蔵品、加工品の扱い方
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こつ |
だしじゃこの頭と腹は取り除く
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解説
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だしじゃこは俗に煮干しといいます。正式には「煮干し」というのは、とても意味が広く、干し海老も煮干しの仲間です。だしじゃこは、かたくちいわしを煮て干したものですが、名前の通り、だしを引くのに使われます。昆布やかつお節とはまた違ったうま味があって、いいものです。でも、扱い方に注意して下さい。だしじゃこのだしは、苦味や臭いがあって嫌いだという声を聞きます。これはだしの引き方が悪いのです。だしを取る前に、腹と頭の部分を指先でちぎって下さい。胴体だけを使うのです。腹の部分には内臓があり、一番いたみやすく、臭いもきつい部分です。頭にはえらがあるので、火を通したときに煮くずれしやのです。こういうわけで、腹と頭を残すと嫌な味が出たり、だしがにごったりするのです。きちんと取り除き、おいしいだしを引きましょう。
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乾物、塩蔵品、加工品の扱い方
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こつ |
ひじきはボールで三度洗う
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解説
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乾燥の芽ひじきは、おそうざいとしてよく使われます。値段も手頃で栄養もあり、本当においしいものです。ひじきを料理する場合、まず戻さなければなりません。ある新婚の家庭でのこと、奥さんがひじきの煮物を作りましたが、戻さずそのまま煮てしまいました。でも、だんなさんは文句もいわずにおいしいといって食べたという笑い話(実話)があります。ひじきを戻すには、ボールにひじきを入れ、水をたっぷり注ぎます。軽くかき混ぜて両手でひじきをすくってざるに上げます。そうするとボールの底に余分なものが残ります。これを捨て、同じことを二回ほど繰り返して下さい。そしてしばらく水につけ、柔らかく戻して下さい。それから油でよく炒め、味つけするのです。こうすれば、とてもおいしくひじきが食べられます。
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乾物、塩蔵品、加工品の扱い方
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こつ |
のりはあぶると香りがよくなる
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解説
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パリッとしたのりを食べたとき、日本料理はいいなぁと思います。色も香りも歯触りも、日本料理になくてはならない食材です。のりは料理に使う直前に、強火で一気にあぶります。熱を加えるのです。こうすると独特の色、香りが出るのです。これを「火取り」といいます。数枚重ねて指先ではさみ、手早く火取って下さい。一枚のときは、半分に切って重ねて焼いて下さい。カサカサに乾燥したり、香りが抜けたりするのを防ぎます。もちろん、焦がさないように。片面だけ焼けばよいです。裏と表は熱による収縮率が違うので、両面を焼くと、もろくなってくずれやすくなります。
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乾物、塩蔵品、加工品の扱い方
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こつ |
のりには裏と表がある
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解説
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のりは注意深く触ってみると、違いがあるのが分かります。ツルツルとした面が表、ザラついている面が裏です。すしを巻くとき、裏面にご飯を敷いた方が、すべらなくてのばしやすいです。ちゃんと裏と表を使い分けて下さい。
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乾物、塩蔵品、加工品の扱い方
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こつ |
葛粉は沈殿させて上澄みを捨てる
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解説
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吸物や煮汁にあんを引くときの葛粉の使い方です。まず、ボールに葛粉を入れ、水をたっぷり入れます。そうすると、葛粉が水に溶けて牛乳のような液体になります。しばらくおいておくと、葛粉が沈殿し、上澄みと分かれます。この上澄みを捨て、沈殿した葛粉を水に溶いて使います。こういうことをする理由は、葛粉に混じっているごみやほこりを取り除くためです。いったん水に溶いた葛粉を保管するときは、冷蔵庫に入れて下さい。温度の高いところでは、くさってしまいます。
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乾物、塩蔵品、加工品の扱い方
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こつ |
あんを引くための水溶き葛粉は水を2倍
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解説
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汁に濃度をつける(あんを引く)ときは、沈殿させてガチガチになった葛粉1に対して水を2倍使います。同分量だと液体の中で固まり(ダマ)になり、まんべんなく濃度をつけることができません。3倍以上では、液体の味が水臭くなってしまいます。2倍がちょうどよい加減です。
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乾物、塩蔵品、加工品の扱い方
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こつ |
つなぎ用の葛粉は同分量の水で
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解説
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日本料理では、白身魚のすり身を使って椀種や前菜の一品を作ったりします。すり身はかまぼこによく似たもです。特に、椀物で使う場合、かまぼこのような固さではおいしくないので、酒や昆布だしで、柔らかくのばすのですが、そのとき、つなぎとして水溶き葛粉を加えるのです。この場合は、沈殿させた葛粉と水は同分量で溶いて下さい。
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