日本料理
キーワード |
吸い物、汁物
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こつ |
冬期の汁は、あんを引いて温かく
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解説
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寒い冬の時期は、温かい料理が喜ばれます。汁物をより温かくする方法に、汁(=吸地)に片栗粉か葛粉で濃度をつけるということがあります。こうすると冷めにくく、口当りもなめらかになり、おいしく感じます。片栗粉や葛粉は、粉と同分量の水で溶き、沸騰している汁の中に少しずつ入れます。濃度の加減をみながら入れて下さい。最初は白く濁りますが、沸騰させると澄んできます。こうして作った汁物を「吉野仕立て」といいます。葛粉の産地が、奈良県の吉野であることにちなんでいます。あまり濃く濃度をつけすぎないよう、あくまでも吸い物ということを頭に入れてつけて下さい。
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吸い物、汁物
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こつ |
かき玉汁は、あんを引いた汁に溶き卵を流す
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解説
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かき玉汁をおいしく作るポイントは、流し込んだ卵に火を通しすぎないことです。火を通しすぎると、卵が固くなっておいしくありません。こうならないために、味つけしただし汁に、片栗粉か葛粉で濃度をつけ、仕上げに卵を溶き入れるとうまくできます。そして、卵に火が通れば、あわだて器で一気にかき混ぜて下さい。しょうがの絞り汁を仕上げに入れると、いっそうおいしくなります。青味に三つ葉を入れると彩りがとてもきれいですよ。
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吸い物、汁物
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こつ |
あんを引くときの水溶き葛粉は糸のように細くたらす
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解説
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あんを引くときのコツは、水溶き葛粉を少しずつ、糸を引くように入れることです。一気にドッと入れてしまうと、鍋の底で固まり、まんべんなくとろみがつきません。加減をみながら、少しずつ加えて下さい。そして最後に軽く沸騰させ、粉の臭みをぬいて下さい。葛粉を溶く水の分量は、葛粉と同分量がいいです。水が多いとだしの味が薄くなるので気をつけましょう。
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吸い物、汁物
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こつ |
塩は底味、醤油は上味
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解説
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塩味や塩加減は、すべての味の土台です。料理をおいしくするも、まずくするも、塩加減次第といってもいいすぎではありません。それに対して醤油は、塩分をふくんでいますが、大事なのは、香りです。これが上味ということです。つまり、醤油は香りを生かすようにして使うのが、上手な使い方なのです。汁物の味をつけるとき、まず塩で九割くらいの味をつけ、残りの一割を醤油で香りを補うつもりでやってみて下さい。醤油をたくさん入れるのはだめですよ。醤油はあくまでも香りづけです。
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吸い物、汁物
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こつ |
味つけは心持ち「薄いな」と感じるくらい
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解説
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汁物を味つけするときのコツは、心持ち「薄いかな」と感じるくらいの味にしておくことです。この方が、最後までおいしく食べられます。ひと口めからしっかりと味つけしてあるものは、最後には、しつこく感じられます。注意して下さい。こういった微妙なところが、味つけの難しい部分です。何度もチャレンジして、よい味加減がつけられるようになって下さい。でも、水っぽいのと薄味とは、全く意味が違いますから、その点を混同しないように。料理は薄味が基本です。
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吸い物、汁物
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こつ |
汁の実の味つけは、汁よりも薄く
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解説
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味噌仕立ての汁の実の味つけは、汁に対して同割りのだし汁を加えて味を薄めたもの(=半割り汁)でつけます。汁の実の味が汁よりも濃いと、味が強すぎて食べられません。一方、すまし仕立ての場合は、吸地八方(=すいじはっぽう)という、汁の味よりも濃いめに味つけしたもので味をつけます。
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キーワード |
吸い物、汁物
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こつ |
貝の味噌汁は口が開いたらでき上がり
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解説
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貝の味噌汁といえば、あさりを使ったものが代表的ですね。おいしく作るコツは、貝が口を開けてから長く煮ないということです。長く煮てしまうと、貝のだしは出てきますが、貝の身がどんどん固くなってしまいます。これでは、おいしくありません。目安としは、貝の口が開いたら、それででき上がりとすることです。決して長く煮ないで下さい。手早く仕上げるのが、おいしく作るコツです。もちろん、砂ぬきは、充分しておきましょう。食べているとき、ジャリッといったら、せっかくの料理もだいなしです。
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キーワード |
吸い物、汁物
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こつ |
汁の量は6〜7分目が適量
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解説
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お椀に入れる汁の量は、多すぎてはいけません。少なすぎたらもっといやですね。ふたをしたとき、ふたのすきまから汁が出るようでは、とても格好が悪いです。お腹のことを考えても、あまり多いのはいただけません。ジャブジャブになったら困ります。適当な分量というのは、半分よりもやや多い程度。6〜7分目です。このくらいの分量が、味わうにも一番おいしく感じる分量です。料理の盛りすぎは、品をなくしてしまいます。充分注意して下さい。
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吸い物、汁物
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こつ |
お椀のふたは、まっすぐきっちりと
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解説
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あたりまえのことといえばそれまでです。しかし、料理を出すとき、急いでいると、ふたをいい加減に閉めてしまうことは案外多いものです。そうすると、運ぶ途中でふたがひっくり返ったり、落ちたりします。ふたがななめにかたむいていると、料理を作った人の人格まで疑われます。最後まできっちりとして下さい。料理は、精神的に余裕をもってすることが何より大切です。そうでないと思わぬ失敗をします。
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吸い物、汁物
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こつ |
大きな汁の実は、箸で切れるかたさのものに
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解説
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日本料理は、箸で食べます。忘れてならないのは、作った料理が、箸で食べられるものかどうかということです。西洋料理はフォークとナイフを使うので、肉のように少しくらい固いものでも問題ないですが、日本料理ではそうはいきません。提供するものは、必然的に箸で切れるかたさのものになるわけです。ごく当然のことですが、こういう大事なことを、忘れている人もときどきあまりす。野菜は、あらかじめ充分な下ゆでをして下さい。白身魚などのすり身を使った練り物であれば、昆布だしでのばして下さい。食べる人のことを考えて、料理を作って下さいね。
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