【好吃(ハオチー)!中国料理】中国のお汁粉って、何?
木村:今回も引き続きカラダに優しいスイーツ、香港のお汁粉を作っていきます。砂糖は前回同様甘いものを食べながらも鉄分、カルシウムを補給できる三温糖を使いたいと思います。
塘:お汁粉かあ~。香港のお汁粉ってどんなものなの?
木村:そもそも、小豆のお汁粉(紅豆沙)のルーツは中国では小豆粥から始まったといわれています。小豆はカルシウム・鉄分などのミネラルやビタミン類が豊富に含まれていて、脂質は約2%程度と低いのも特徴で、とても栄養が豊富なのです。そして昔、砂糖は貴重で高価なものであったため、上流階級の人たちしか食べることができなかったようです。やがて豊かな社会になり、甘いデザートとしても多く食べられるようになり徐々に広がっていきました。
今回は、マレーシア風お汁粉を作ります。マレーシア風お汁粉は小豆のほかに、緑豆、白いんげん、さつまいもなど、具沢山のお汁粉です。本来はタロイモも入っているのですが、手に入り難い場合はさつまいもを代わりに入れても美味しくできます。このお汁粉はマレーシアから香港に入ってきたココナッツの風味が豊かなお汁粉です。主にマレーシア、香港そして、ベトナムなどでも多く食べられています。今回は温かくしていますが、冷やしてもとても美味しくいただけます。そのほかにもどのようなお汁粉が中国にはありますか?
塘:中国では緑豆のお汁粉(緑豆沙)、くるみのお汁粉(合桃露)も定番ですよね!他にも、お汁粉といったわけではないですが、上海あたりでは白玉団子が入った、酒醸入りの甘いデザート(酒醸湯圓)が好まれています。
木村:一言にお汁粉といっても色々な種類があるのですね!日本にもお汁粉がありますが、中国のお汁粉との関係性はあまり無いといわれています。けれど小豆を使う点などは一緒ですよね!私の実家の仙台ではお汁粉というと、甘くさらっとしていて四角いお餅が入っているといったイメージで、なんかほっとするし、お汁粉は大好きです!塘先生はお汁粉好きですか?
塘:好きです。お汁粉なら5杯ぐらい平気で食べます。私は子供のときから嗜好が爺くさくて、小豆は大好きでした。誕生日に母から「今日何食べたい?」と聞かれ「赤飯」と答えていました。安上がりな子供でした。
木村:私の祖母は小豆には薬効があると考えていて月2回ぐらいは、うるち米に小豆を加えた小豆ご飯を食べていましたよ。小豆って万能ですね!
塘:では、今回のお汁粉を美味しく作るポイントとは?
木村:今回は小豆の外皮には便通をよくする働きがあるそうなので、漉すときに粗漉ししてお汁粉にしています。しかし、滑らかな舌触りがよい場合は細かい布で漉してください。どちらも美味しくできます。今回は蒸して豆をやわらかくしていますが。鍋でやわらかくして炊いても大丈夫。半分くらいに煮崩れたぐらいが、芋や豆類の自然なとろみがついて美味しいですよ。香港の屋台では鍋で炊いたものが売られています。
香港の屋台で売られているマレーシア風お汁粉。上にかかっているのはココナッツミルク。
塘:鍋で炊いてもできるのか~。蒸し器がなくても作れますね!
では早速、豆を買いに行こう。ん・・・待てよ、あっそうだ、いろんな豆が入っている甘納豆とココナッツミルク、市販のアンコを鍋に合わせて煮たら、もっと簡単に出来るんじゃないの。
木村:そ、そんな。。。このコーナーなくなってしまうじゃないですかー。
塘:・・・・(冷や汗)
<コラム担当者>
木村 美香
<このコラムのレシピ>
マレーシア風お汁粉
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