【好吃(ハオチー)!中国料理】ヘルシー!揚げない春巻き
今年の夏も暑い日が続きましたね。
10月に入っても気温が30℃近くまで上がる日があり、気持ちは秋の準備しているのに季節がついてこない、そんな長すぎる残
暑に、落ちた食欲もなかなか元に戻りません。
そこで今回は、野菜をたくさん摂ることができ、さらに揚げないことでヘルシーな、暑い時期でもどんどん箸が進む台湾式の春巻きを紹介します。
台湾では「潤餅(ルン ビン)」と呼ばれる春巻きです。
春巻きといえば揚げ物を想像しますが、これは小麦粉で作った生地を薄く焼き、たっぷりの具材巻いた「春巻き」です。
もともと清明節に食べられている伝統的な食べ物ですが、現在は屋台などで販売され、いつでも食べることができます。
私は台湾に行ったときに初めてこの「潤餅」に出会ったのですが、潤餅そのものよりも、この生地の作り方に惹かれました。
ある市場で生地を作る現場を目撃しました。
日本ではなかなかこのような作業を近くで見られる機会はありません。
こんな間近で生地づくりを見られることに驚きました。
さらにその生地の作り方に驚嘆させられました。
非常に柔らかい生地を落とさないように手の中で回しながら、鉄板に押しつけて、ごく薄い生地を焼くのです。
右手は常に生地を持ち、左手で出来上がった生地を取って重ねていきます。
あいた鉄板に、すぐさま右手に持っている生地を押し付け、次の焼けた生地を左手でとる。
上記の写真がその時のものです。
動画でないのが残念ですが、動きに無駄がなく次々と生地を焼いていき、あっという間に生地の山が出来上がります。
この生地の特徴は、なんと言ってもその「薄さ」にあります。
レシピでは刷毛で薄く塗り広げる方法を紹介しましたが、本来は生地を鉄板に塗りつけるようにして焼いていきます。
コラムではこちらの方法も紹介します。
生地の状態です。
台湾では中力粉を使用しているそうですが、今回は強力粉と薄力粉をブレンドして使用しました。
生地は硬すぎるとうまくフライパンに張り付いてくれません。さらに焼き上がると固い生地になってしまいます。
反対に、柔らかすぎると生地を手でつかむことが難しくなります。
そして均一にフライパンにくっついてくれず、生地の厚さにムラができてしまいます。
フッ素樹脂加工のフライパンを使用して焼いていきます。フライパンは温めておきます。
生地をつかんで、フライパンに塗りつけるように動かします。
この時中心から「の」の字を書くように動かすと、きれいな円を描けます。
フライパンの温度も重要です。
温度が高すぎると生地がすぐに固まり、フライパンに張り付かずはがれてしまいます。
円を描いたら、中心に戻って一気に生地を持ち上げます。そうすると余分な生地が一緒にくっついてきます。
画像ではわかりにくいですが、フライパンに接して温められた生地は非常に柔らかくなります。
余分な生地が残ってしまい、厚くなってしまいます。あまりゆっくりしていられません。
厚いところは指で押して薄くします。
中火で10~20秒ほど加熱すると全体に火が通り、周囲が浮いてきます。
この状態になれば、やけどしないように生地を裏返し、3秒ほど加熱したら完成です。
焼きあがった生地は水分が抜けて固い状態です。次の工程が重要になります。
焼き上がった生地は熱い状態のまま順次重ねていきます。
こうすることで生地自体の蒸気で蒸されて水分が戻り、しっとりと柔らかい生地に仕上がります。
実は何度も試作を繰り返しましたが、どうしても生地が噛み切るのに苦労するほど固く仕上がっていました。
最後の工程が抜けていたのです。
熱いうちに重ねるだけなのですが、非常に重要な工程なのです。
レシピでは簡単な生地づくりを紹介しています。
ぜひ生地から手作りの春巻きに挑戦してみてください。
なお、春巻きの皮ですので揚げてもおいしく食べられます。
最後に、
台湾ではアイスクリーム・ピーナッツ粉・香菜を巻いたデザート、
中国広東省では糖葱(タン ツォン)と呼ばれる、シャリシャリの飴とピーナッツ粉・香菜を巻いたお菓子など、さまざまなバリエーションがあります。
(左)糖葱(タン ツォン)
(右)近づいて見ると、大きな空洞と小さな空洞が並んでいるのが分かる。飴が薄く、サクサクした食感
まだまだ他にもあるかもしれません。
中国や台湾に行かれた際はぜひ探してみてください。