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【好吃(ハオチー)!中国料理!】中国の「三菜一湯」とは ~湯(スープ)について~

06<中国>好吃(ハオチー)!中国料理!

2018.01.24

<【好吃(ハオチー)!中国料理】ってどんなコラム?>


日本には「一汁三菜」という言葉があります。これはご飯に対して、1品の汁物に3品のおかずをつけることを意味します。
実は中国にも、「三菜一湯(サン ツァイ イー タン)」という似た言葉があります。
「菜(ツァイ)」はおかず、「湯(タン)」はスープを表し、日本と同じで、3品のおかずに1品のスープ、これがバランスのとれた食事の基本と考えられているのです。

皆さんは汁物といえば何を思い浮かべるでしょうか?私はやはり「お味噌汁」です。お味噌汁は日本の食卓には欠かせません。各地で味噌や具材が異なり、それぞれ家庭の味があると思います。豆腐やうす揚げ、わかめなど定番の具材から、かぼちゃやさつまいも、ホウレンソウなど季節の野菜など組み合わせはさまざまで、毎日食べてもなぜか飽きません。

さて今回は、三菜一湯の中の、「湯(タン)」にスポットを当てたいと思います。

広大な国土を持つ中国には、各地に様々なスープがあります。

広東省には冬瓜を器にした「冬瓜盅(ドングワヂョン)」というスープがあります。冬瓜に、広東でよく食べられる焼き鴨や中国ハムなど味の出る具材を加えて蒸した料理です。器にした冬瓜も、もちろん具材の一つとして食べます。

浙江省にはジュンサイを用いたスープがあります。浙江省の西湖はジュンサイの産地で、その特産品を用いて作った料理です。「西湖蒓菜湯(シーフーヂュンツァイタン)」と言います。

四川省周辺では「酸辣湯(スワン ラー タン)」が有名です。四川省周辺の特産品である唐辛子や胡椒、酢を用いたスープです。

 

中国でも家庭で手の込んだスープを毎日作るのはなかなか難しいものですから、具材と水を鍋に入れて弱火でじっくりと煮出して作ります。

このようなスープ用の鍋が、中国にはあります。


 


写真を見ていただくと、どちらも縦長になっているのが特徴です。
左の鍋は注ぎ口がついていて、スープだけを注げるようになっています。
右の鍋は蓋に小さな蒸気穴が開いているだけで、ほかに蒸気の出口はありません。
鍋は長時間火にかけるため、なるべく水分が蒸発しないための形状なのです。

香港では、店でも「例湯(ライ トン)」と呼ばれる日替わりスープが提供されます。店によっては数種類のスープが用意されているのですが、その際お客さんは、その日の「体調」に合わせてスープを選びます。これは古くからある「薬食同源」の考え方がベースになっています。

「薬食同源」とは、すべての食物を、(予防医学的見地から)薬と同様に捉え、効果的に摂取することで日々の体調を整えるという考え方です。つまり日ごろの食事において、個々に合わせた量や食材を選ぶことで健康を維持していくのです。


今回紹介する「スペアリブとれんこんのスープ」は、香港でよく作られているスープです。材料と水を鍋に入れてじっくり時間をかけて煮出すという、とてもシンプルな料理です。このようなスープは、調理法が単純なために古くから食べられてきました。豚肉には気を補い、血を養う効果。イチジクには便通を良くし、体を潤す効果。白菜は胃や腸の通りをよくする効果があるなどなど。乾燥気味の方や便秘気味の方に効果があるかもしれません。ぜひお試しください。