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食のコラム&レシピ

【独逸見聞録】シロップと特殊な砂糖 ~砂糖(其の参)~

13<海外>独逸見聞録

2016.07.08

<【独逸見聞録】ってどんなコラム?>


ドイツで「シロップ(Sirup:ズィールップ)」と呼ばれるものには、大きく分けて2種類ある。
ひとつは、砂糖や甘味料の元となる原材料を、主に加熱によって濃縮したもので、糖分を多く含んだ樹液や果汁などが利用される。これらの製品の粘度は、ハチミツ(Honig:ホーニッヒ)よりも緩いものから、パンに塗れる固さまで、実に様々である。
そしてもうひとつは、精製された砂糖に水や果汁などの水分を加えて溶かし、煮立てたシロップである。

今回は、色々な原材料から作られている甘味料としてのシロップと、コンポート(Kompott:コムポット)やジャム(Konfitüre:コンフィテューレ)の様な保存食としてのフルーツシロップ(Fruchtsirup:フルフトズィールップ)の他、保存食作りに特化した砂糖について紹介する。

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左:様々な原材料から作られた、砂糖に加工される前段階の糖蜜やシロップ。
右:砂糖に水や果汁を加えて溶解、加熱したシロップ。

★砂糖に加工される前や途中の段階のシロップ
これらのシロップの中には、ドイツ人達の食生活にとって昔から馴染みのある種類もあるが、以前ならば、「レフォームハウス(Reformhaus)」や「ナトューァコストラーデン(Naturkostladen)」と呼ばれる、自然食品販売店でのみ取り扱われていた種類もある。最近では、品揃えの良いスーパーマーケットの棚でも、これらのシロップを見掛ける機会が増え、一般に入手し易くなってきている。

多くの製品のパッケージに記載されている「Alternative(代替・選択肢)」の通り、原材料や成分だけでなく、濃度や粘度などのシロップの状態、味や風味、色の濃淡など、種類が豊富になり、砂糖の代わりになる選択肢が増えている。そのため、目的や好みに合わせて使用することができる。

☆ツッカーリューベンズィールップ(Zuckerrübensirup)
同様に、リューベンクラウト(Rübenkraut)ツッカークラウト(Zuckerkraut)またはリューベンズィールップ(Rübensirup)とも呼ばれる。
温帯から寒帯で栽培されるアカザ科の二年生植物で、サトウダイコン(砂糖大根)やビートとも呼ばれるテンサイが原料である。
土砂などの付着物の洗浄後、糖分を抽出し易くするため、裁断機で細長く切断する。細切りにされたテンサイは、「リューベンシュニッツェル(Rübenschnitzel)」と呼ばれる。水に浸して温める(約70℃)と、糖分が溶け出してくる。この浸出液のことを「ローザフト(Rohsaft)」と呼ぶ。ローザフトを浄化し、濾過すると「デュンザフト(Dünnsaft)」が得られる。デュンザフトを更に加熱し、水分を蒸発させる。
濃縮された液体は「ディックザフト(Dicksaft)」と呼ばれる。これを室温(約18℃)に置いた時に、パンに塗れる程度の固さになるまで煮詰める。

テンサイの栽培地域であるライン河の中・下流地域のライン地方(Rheinland:ラインラント)で、特に好まれている。パンに塗るブロートアウフシュトリッヒ(Brotaufstrich)として、またパンや菓子の生地、ソースなどに甘みや色(濃褐色)を付けるのに用いられる。

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左:テンサイを原料とし、浸出液をそのまま煮詰めたツッカーリューベンズィールップ。
右:「地理的表示保護制度」に認定されているライニッシャー・ツッカーリューベンズィールップ。

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「原産地名称保護制度(Herkunftsbezeichnung)」の中の「地理的表示保護制度(Geschützte geografische Angabe)」では、定められた地域原産品を定められた製法で生産または加工、または調整されているものでなければならない。

☆ツッカーローァズィールップ(Zuckerrohrsirup)、ツッカーローァメラッセ(Zuckerrohrmelasse)
亜熱帯から熱帯で栽培されるイネ科の多年草、サトウキビが原料である。
製糖工程の「分蜜」の際に、砂糖の結晶から分離される「副産物」がある。これが糖蜜(Melasse:メラッセ)である。メラッセは、約60%の糖分を含んでいるが、これ以上結晶化されることは無い。

パンに塗るブロートアウフシュトリッヒとして、またパンや菓子の生地などに甘みや色(濃褐色)を付けるのに用いられる。粘度が強く、甘草(Lakritze:ラクリッツェ)に似た仄かな苦味がある。

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サトウキビを原料とし、製糖工程の「分蜜」の際に砂糖の結晶から分離されるメラッセ(糖蜜)。
チューブ状の容器(左)とガラスビン入り(右)。

☆アーホァンズィールップ(Ahornsirup)
カエデ科カエデ属の落葉高木の、サトウカエデが原料である。
樹液採取に適するのは、樹齢40年以上の木々のみで、その樹液を加熱、濃縮したのがメープルシロップ(Ahornsirup:アーホァンズィールップ)。カナダ産が有名である。
樹液の収穫は、寒暖の差が最も大きくなる春先に行われる。採取初期の樹液は高い糖分を含むが、後半になると徐々に薄くなって行く。1リットルのシロップを製造するためには、40~45リットルの樹液が必要である。

収穫時期、濃縮の過程などによって、様々な等級がある。ドイツで販売されているのは、カテゴリーAAからDまでで、色と風味はAからDの順に濃くなる。等級AAまたはAは、繊細な風味で淡い琥珀色をしている。
*EUでは、カナダやアメリカとは異なる独自の等級分けを行っている。等級CとDは、それぞれカナダのNo.2 アンバーとNo.2 ダーク、アメリカではBに分類されている。

上品な甘みがあり、パンケーキやプディング、アイスクリームなどに利用される。
開封後は、冷蔵庫内で保管するのが望ましい。

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ツッカーアーホァンズィールップ。色が濃いC(左)と、少し薄めのA(右)。

☆アガーヴェンズィールップ(Agavensirup)
原料のリュウゼツラン属は、リュウゼツラン科の単子葉植物の分類群。メキシコを中心に中南米の熱帯域に自生する。その樹液を濃縮した甘味料がアガベシロップ(Agavensirup:アガーヴェンズィールップ)である。
アガベシロップの主成分は、果糖とブドウ糖で、特に果糖の割合が高い。
ハチミツよりも強い甘さを感じるが、濃度は薄い(粘度が低い)。

アガベシロップは、透明に近いもの、琥珀色、褐色などが販売されている。
色の薄いものは淡泊な甘みで、色が濃くなる程、キャラメル風味や独特の味が強くなる。

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この写真のアガーヴェンズィーロップは、比較的色の薄いもの。もっと濃い色の製品もある。

☆ココスブリューテンズィールップ(Kokosblütensirup)
原料になるヤシ類は、ヤシ科アレンガ属に属する常緑高木。
サトウヤシ(Zuckerpalmen:ツッカーパルメン)、ココヤシ(Kokospalmen:ココスパルメン)、オウギヤシ(Palmyrapalmen:パルミラパルメン)、ナツメヤシ(Dattelpalmen:ダッテルパルメン)、ニッパヤシ(Nipapalmen:ニパパルメン)など、ヤシ類の花序や幹から採取される樹液を採取し、煮詰めることによって濃縮したシロップ。
ココスブリューテンズィールップは、別名パルムホーニッヒ Palmhonigとも呼ばれる。

このシロップを更に濃縮し、結晶化させたパームシュガー(ヤシ糖)は、パルムツッカー(Palmzucker)、ココスブリューテンツッカー(Kokosblütenzucker)などと呼ばれる。

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左:ヤシの樹液から作られたココスブリューテンズィールップ。
右:更に濃縮、結晶化させたココスブリューテンツッカー。

☆ダッテルズィールップ(Dattelsirup)
ナツメヤシ(Dattelpalme:ダッテルパルメ)はヤシ科の常緑高木で、その果実が原料である。
デーツ(Dattel:ダッテル)の種を抜き、水に浸して煮詰める。次に濾過して、色と濃度の濃いシロップになるまで濃縮する。

ダッテルズィールップの甘さは、通常の砂糖よりも強いので、使用の際には、その点を考慮しなければならない。また、サトウキビを原料とする糖蜜「メラッセ」を思わせる様な風味を持つ。

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左:ナツメを原料とするダッテルズィールップ。
右:更に濃縮、結晶化させたダッテルツッカー。

☆アプフェルディックザフト(Apfeldicksaft)、ビルネンディックザフト(Birnendicksaft)
アプフェルディックザフトはリンゴ、ビルネンディックザフトは洋ナシが原料。
その名前の通り、「濃い果汁・樹液(Dicksaft:ディックザフト)」であるが、上記のシロップ類と比較すると、粘度は低めである。何かに混ぜ込む場合、簡単に溶解する利点があるが、開封後は早めに使い切るのが望ましい。

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左:リンゴ果汁を煮詰めたアプフェルディックザフト。
右:同様に洋ナシ果汁から作られたビルネンディックザフト。

☆アプフェルクラウト(Apfelkraut)
その名の通り、主材料はリンゴである。
1000gのアプフェルクラウトを製造するのに使用される果物(リンゴと洋ナシ)は2700gで、その内最低でも2100gのリンゴが必要である。糖分の添加も認められているが、400gが上限となっている。

アプフェルクラウトは、褐色から濃褐色で、室温(約18℃)に置いた時に、パンに塗れる程度の固さになるまで煮詰められる。甘くフルーティーであるが、苦味や焦げ付きを伴ってはならない。
「ドイツ食品便覧(Deutsches Lebensmittelbuch:ドイチェス・レーベンスミッテルブッフ)」に収録されている、「果物製品の指導原則(Leitsätze für Obsterzeugnisse:ライトゼッツェ・フュァ・オプストエァツォイクニッセ)」より。

ライン河の中・下流地域のライン地方や、その対岸の近隣諸国、ベルギーやオランダで好まれている。
パンに塗るブロートアウフシュトリッヒとして、またジャガイモのパンケーキ(Reibekuchen:ライベクーヘン)の付け合わせや、ライニッシャー・ザウアーブラーテン(Rheinischer Sauerbraten)などの料理のソースに、コクのある甘みや色(濃褐色)を付けるのにも用いられる。

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リンゴ果汁を、パンに塗れる固さにまで煮詰めたアプフェルクラウト。

☆ビルネンホーニッヒ(Birnenhonig)
同様に、ビルネンクラウト(Birnenkraut)とも呼ばれる。
原料の大部分は洋ナシであるが、その一部にはリンゴも使用されている。
不透明な褐色から濃褐色で、濃い粘度に濃縮されたビルネンホーニッヒは、中世の頃から既に有名で、18世紀に砂糖が登場するまで、ジャム作りに使用されていたという。

パンに塗るブロートアウフシュトリッヒとして、またレープクーヘン(Lebkuchen)など、焼き菓子の生地にも使用される。
残念ながら写真は無いが、色や状態などは上記のアプフェルクラウトと良く似ている。

☆その他のシロップ
穀類や芋類などのデンプンを含む植物から作られるシロップもある。
例えば、米を原料とした「ライスズィールップ(Reissirup)」の他、スペルト小麦を用いた「ディンケルズィールップ(Dinkelsirup)」、トウモロコシの「マイスズィールップ(Maissirup)」など。

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米のデンプンを利用して作られたライスズィールップ。

★砂糖に水や果汁を加え、加熱・溶解したシロップ
砂糖に水や果汁などの水分を加えたシロップには、既製品と自家製がある。
果物に砂糖を加えて作られる「フルフトズィールップ(Fruchtsirup)」、シロップに花の香りを付けた「ブリューテンズィールップ:Blütensirup」」など様々な種類があり、色や味、風味も多彩である。
ミネラルウォーター(Mineralasser:ミネラールヴァッサー)やアルコール飲料(Alkoholische Getränke)で割ったり、乳製品やクリームに混ぜ込んだり、フルーツサラダ(Obstsalat:オプストザラート)やアイスクリームなど、デザートに利用したりできる。

☆既製のシロップ
スーパーマーケットの他、果物や野菜の直売店や青空市場などでも販売されている。
シロップ1に対して何倍の水やアルコールで薄めれば良いか、ラベルに希釈率が記載されていることが多い。

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左:フランスのMonin社のシロップ。
ニワトコの花(Holunderblütten:ホールンダーブリューテン)、サトウキビ(Zuckerrohr:ツッカーローァ)、ライム(Limette:リメッテ)。
中:果物の直売スタンドのシロップ。
ルバーブ(Rhabarber:ラーバーバー)、イチゴ(Erdbeere:エァトベーァレ)、黒フサイチゴ(Schwarze Johannisbeere:シュヴァルツェ・ヨハニスベーァレ)。
右:果物・野菜の直売店のシロップ。
ニセアカシアの花(Robinienblüten:ロビーニエンブリューテン)、ニワトコの花。

☆自家製のシロップ
砂糖と水を煮立てて冷ますだけの「ロイターツッカー(Läuterzucker)」や、砂糖と果物から作られる「フルフトズィールップ(Fruchtsirup)」は、家庭でも簡単に製造することができる。
果物のシロップの製造には、ハイセ・メトーデ(Heiße Methode)とカルテ・メトーデ(Kalte Methode)の2つの方法がある。ハイセ・メトーデでは、布で漉した果汁と砂糖を加熱するが、果物の種類によっては、長く煮詰め過ぎると、色や香りが失われるだけでなく、ゲル化が始まるので注意が必要である。カルテ・メトーデでは、果汁に砂糖を溶かし込むだけである。

◆ロイターツッカー(Läuterzucker)
純度の高い砂糖(Raffinade:ラフィナーデ)と水を煮立たせることによってできる透明なシロップで、その割合は1:1または2:1など。長く煮るほど濃くなり、冷却後には濃度(粘度)を増す。

ロイターツッカーの名称は、泡やアクなどの不純物をすくい取って「純化する・澄ます(läutern:ラウターン)」という意味から付けられている。現在と比べると、砂糖の純度や品質が劣っていた頃に、必要だった作業の名残である。

トルテ(Torte)を組み立てる際に、下塗り用のシロップ(Tränke:トレンケ)として使用したり、フォンダン(Fondant)などの糖衣の濃度を薄めたり、焼き菓子の表面に艶出しとして塗ったり、クリームや生地に甘みを付けたりと、製菓・製パンの分野での応用範囲が非常に広い。

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砂糖と水の割合が1:1で、軽く沸騰させたロイターツッカー。

◆ズィールップツッカー(Sirupzucker)
ズィールップツッカーは、自家製のシロップを手軽に作るために、既にクエン酸(Zitronensäure:ツィトローネンゾイレ)が調合されている専用の砂糖である。

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左:シロップの製造に適したズィールップツッカー。
右:ニワトコの花は、ドイツでは5~6月に開花する。

パッケージに記載されている「ニワトコの花のシロップ(Holunderblütensirup:ホルンダーブリューテンズィールップ)の配合は、1袋のズィールップツッカー(1000g)に対して、水750mlとニワトコの花序15~20朶(だ)。

<作り方>
ニワトコの花序を軽く濯いだ後、滴を切り、硬い茎を取り除く。「ズィールップツッカー」を湯の中に溶かし入れ、煮立って溶液が澄んできたら、花の上から掛ける。48時間、涼しい場所に置く。
シロップを漉して殺菌したビンに注ぎ入れる。しっかりと蓋をして、涼しい場所に保管する。長期保存するためには、ビンに注ぎ入れる前に3分沸騰させる。開封後は冷蔵庫で保存し、なるべく早く使い切る。

このシロップは、レモン(Zitrone:ツィトローネ)やライム(Limette:リメッテ)とも相性が良いので、スライスや果汁を製造の際に加える場合もある。

基本的に、シロップ1に対して6倍の水で希釈する。
好みに応じて、この爽やかな香りのシロップをミネラルウォーター、白ワイン(Weißwein:ヴァイスヴァイン)やドイツのスパークリングワイン(Sekt:ゼクト)で割ったり、カクテル(Cocktail:コックテール)の風味付けに使用したりする。

「フーゴ(Hugo)」という名前のカクテルは、このシロップと良く冷やしたイタリアのスパークリングワイン(Prosecco:プロセッコ)、ミント(Minze:ミンツェ)の葉とライム、氷と炭酸水を組み合わせた、夏向きの涼しげなロングドリンクである。ニワトコの代わりに、レモンバーム(Zitronenmelisse:ツィトローネンメリッセ)のシロップが使用されることもある。

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夏向きの涼しげなカクテル「フーゴ」は、ワイングラスで楽しまれる。

2015年3月に、ジャム類の原材料:砂糖とゲル化剤 ~ジャム(其の参)~で紹介した中にも、ズィールップツッカーと同様に、使用目的に合わせた添加物が配合されている砂糖など、保存食作りに適した製品が幾つかある。

◆アインマッハツッカー(Einmachzucker)
アインマッハツッカーは、アインマッハラフィナーデ(Einmachraffinade)とも呼ばれ、典型的な保存食の製造に適している。大きくて均一な結晶を持つ砂糖で、日本のザラメ糖、白双糖に相当する。
この結晶は、普通の砂糖よりもゆっくりと溶けるので、果物を煮る際の泡立ちが少なくなり、鍋底の砂糖が焦げ付くなどのリスクを抑制する。
以下で紹介するジェリアーツッカー(Gelierzucker)とは異なり、ゲル化剤などの添加物を含まない。

*アインマッヘン(Einmachen)とは、果物や野菜に調味料などを添加して加熱した後、瓶に入れて密封し、貯蔵・保存すること。

◆ジェリアーツッカー(Gelierzucker)
ジェリアーツッカーは、ジャム(Konfitüre:コンフィテューレ)、マーマレード(Marmelade:マルメラーデ)やゼリー(Gelee:ジェレー)を加工する際に用いる専用の砂糖である。

純度の高いラフィナーデ(Raffinade)に、ゲル化剤としてペクチン(Pektine:ペクティーネ)、酸化剤としてクエン酸または酒石酸(Weinsäure:ヴァインゾイレ)、一部でソルビン酸(Sorbinsäure:ゾルビンゾイレ)などの保存料が添加されている。

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左:保存食の製造に適したアインマッハツッカー。
右:ゲル化剤としてペクチンが添加されているジェリアーツッカー。
  その名称には「1:1」、「2:1」、「3:1」など、果物に対する砂糖の比率が表示されている。

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Kimiko Kochs

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