【ベンチタイム】イーストって?
A(浅田) :みなさん、はじめまして! パンの魅力に惹かれて、早ウン十年。学生さんと一緒に美味しいパンを追い求め、日々過ごしている二児の母、浅田紀子です。
O(尾岡) :パンを作るようになって、11年が経ちました・・・最初はパンを食べるのが好きでしたが、今では作る方が楽しくてしょうがない31歳 尾岡久美子です。
M(松井) :パンをつくるのも食べるのも大好き! いつも元気いっぱいおてんば娘の松井美穂です。
A: 今回からこの3人が新しい「ベンチタイム」をお届けします。さっそくだけど、最近はホームベーカリーも普及して、お家でパンを作る人が増えたよね~。
O: そうですよぉ、家庭で美味しいパンを焼くための機械や材料についての質問が多くなりました。
M: 私もお家でパンを作ったら、家族に喜ばれるんでうれしいんです。
A: じゃあ、食べることとパンを作ることが大好きな私たちが、パンのあれやこれやを話していくと、お家でパンを作っている人たちのヒントになるかも知れないよね~。
O: パンは作ってみると時間はかかるし、失敗することもあるし、難しいと思ってる人、多いと思います!
M: でも、ポイントを押さえればお家でも、ふんわり膨らんだ美味しいパンが作れますよね。
O: じゃあ早速質問です!パンを作るうえで必要な材料が4つあります。それは何でしょう。
M: それは、パンの基本材料、つまり小麦粉、水、塩、酵母(イースト)の4つですね。
O: 正解! パン作りに欠かせない、4つの基本材料の1つ、「イースト」がないとパンの話は始まりません。基本材料はどれが欠けてもパンにはなりませんが、その中でも「イースト」はパンを膨らませるという重要な役割があるんです。
A: そのとおり。パンにとってイーストは必需品!ひと言でイーストといっても、最近ではいろいろなタイプのイーストが市販されています。今回は 、代表的な生イースト、インスタントイースト(インスタントドライイーストともいいます)、ドライイーストの特徴を比較してみます。
生イースト |
インスタントイースト |
ドライイースト |
〈使用法〉 水に溶かして使用 | 〈使用法〉 粉に混ぜて使用 | 〈使用法〉 予備発酵させて使用 |
〈使用期限〉 約1ヶ月 | 〈使用期限〉 未開封で約2年 | 〈使用期限〉 未開封で約2年 |
〈保存法〉 冷所保管(0~5℃) |
〈保存法〉 冷暗所にて保管、開封後は袋の口を閉めて冷蔵庫にて保存 |
〈保存法〉 冷暗所にて保管 |
〈特徴〉 菓子パンやソフト系のパンによく使われる 水分量は70% 冷蔵生地用などのタイプがある |
〈特徴〉 フランスパンなどのハード系のパンによく使われる 水分量は4~7% 常温で流通している |
〈特徴〉 フランスパンなどのハード系のパンによく使われる 水分量は7~8% 常温で流通している |
〈菌数〉 1gに100億個以上 | 〈菌数〉 1gに350億個以上 | 〈菌数〉 1gに300億個以上 |
M: 家庭ではスーパーでも手に入るインスタントイーストがよく使われますよね。生イーストは使用期限が短く、家庭ではなかなか使いきれませんし、 ドライイーストは使い方に特徴があります。
O: そうなんです、生イーストとインスタントイーストはそのまま使えるけれど、このドライイーストだけは前もってふやかしておかないと力を発揮してくれないんです。
A: でも、もし作りたいパンのレシピが、手持ちのイーストと違ったものを使っていても大丈夫ですよ!使用量を「生イースト:インスタントイースト:ドライイースト=10:4:5」となるように換算して作ることができます。家庭ではインスタントドライイーストは、どんなパンも作れて万能選手ですが、私達プロは作る製品によって3つのイーストを使い分けています。この使い分けについてはまたいつか、詳しくお話しできればいいなと思っています。
M: そもそもイーストは、カビとか細菌と同じ菌類で単細胞の生物ですよね~。
O: そう、生きているからちゃんとご飯も食べて活動します。何がご飯になるかというと...生地中の糖です。糖を栄養分として呼吸や発酵活動をして、炭酸ガスを出して生地を膨らませてくれるという働き者です。
M: いうなれば、炭酸ガスはイースト菌が出したおならですよね♪ ガスを出すためには、温度も大事なんですよね~。
O: そう、イースト君は25~35℃ぐらいのところで活躍するよ。寒かったら眠るし、暖かくなってきたら起きて、暑くなりすぎると元気がなくなってくるんだよ。
M: それって人間と似てますね~!
A: そう、温度管理はパンを作る上でもとっても大切なことのひとつです。イースト君の心をつかんで、うまく育てて美味しいパンを作りましょう!
M: じゃあ、美味しいパンを作るには後、何が大切ですか?
O: やっぱり、パンの骨格。主役の粉でしょう。
A: では、次回小麦粉についておしゃべりしましょう。お楽しみに~!
O: 最後にドライイーストの予備発酵の方法をご紹介ししていますのでご覧ください。