【ベンチタイム】タルト・フランベを作る!
●●●●● タルト・フランベ の よもやま話 ●●●●●
松田(以下M):今回は “タルト・フランベ" 【仏:Tarte flambée】 を紹介します!
フランスはアルザス地方の郷土料理で、カフェやレストランなどで出される人気の一品です!一見ピザの様な姿ですが、トマトソースは使わず、日本人にはなじみの薄いフロマージュ・ブラン 【仏:Fromage blanc】という、生乳を乳酸発酵させて水分を除去しただけの非熟成チーズを使います。ヨーグルトよりも酸味はまろやかで、新鮮なミルクを使っているからこそ味わえるコクがあります。 「ドイツにもクヴァルク 【独:Quark】と呼ばれるよく似たチーズがあります!」
亨子(以下K):うわ~おいしそう 早く食べたい!!いつも、甘いものに囲まれているから塩味のものが、すごく気になる。そう、以前アルザスへ行き、食べました。アルザス地方はドイツに近いので、お菓子やパン、お料理にもドイツの影響があります。特に、ストラスブールは好きな街です。4~5回は行ったかな。器(焼き物)も有名ですごくかわいいんですよ!!福知先生はフランス校出身だから、ひょっとして行った?
福知(以下F):ストラスブールには行ったことがあるんですけど、あまりよく知らないんです・・・今回のタルト・フランベも食べないままでした・・・日本で初めて食べて、おいしくて、もったいないことをしたなぁ!!って思ってしまいました。名前も面白いですよね?フランベってあのフライパンなどでお酒を入れて火を出す、あのフランベですか??
M:それはタルト・フランベの誕生説を絡めて話ましょう!
ボージュ山脈のふもとにあるアルザスの農家では、週に一度、石釜でパンを焼く習慣があり、薪を燃やし時間を掛けて石釜を熱する間、残しておいたパン生地を薄くのばして、塩、コショウで味付けしたフロマージュ・ブランを塗り、玉ねぎと塩漬け豚バラ肉、ラードをとった後の残りカスなどを乗せ、薪火がまだ燃え残る石釜に入れて焼いたのが始まりと言われています。“焼き上がりに菜種油を降り掛けて食べていたようですよ!”
F:村人達が営む労働の中から生まれたご馳走であり、楽しみだったのでしょうね~!
K:お料理にも同じように窯の余熱を利用して作られたこの土地の名物料理“ベッコフ(ベックオフ)”というのがありますよ!アルザス語でベーケ・オーフェ パン屋のオーブンと言う意味だそうです。豚、羊、牛のお肉やたまねぎ、ベーコン、にんじん、じゃがいもを白ワインを使ってオーブンでじっくり蒸し煮したもので、こちらも現地でいただきました。しっかり味がしみ込んでいて、すごくおいしく、ものすごいボリュームです。ところで先生!土台の生地はどんな生地なんですか。それこそピザ用生地と同じだったりして?
M:その通り!イタリアのピザ生地とほとんど変わりません。あえて言うと、フランスパンに近いリーンな生地で作られています。アルザス地方を始め、ドイツやフランスでも広く食べられており、それぞれの土地で生地の配合は少しづつ違うようです。呼び名も色々あって、フランスではタルト・フランベ[Tarte flambée]、アルザス語でフラメン・キッシュ[Flammen quiche] と呼ばれ。ドイツでは、フラメンクーヘン[Flammen kuchen] やフラムクーヘン[Flamm kuchen] などと呼ばれています。
F:国や地方で呼び名が違うのは面白いですね~!アルザスは戦争の度にドイツ領になったりフランス領になったりで、フランス領でありながら、ドイツ文化を感じるのもそのせいですね。ところで、材料のフロマージュ・ブランは一般のスーパーでは取り扱ってないですよね?以前、都内の高級食材店で売っているのを見たことはありますが。手に入らない場合はどうしたらいいですか?
M:はい、一般的にフロマージュ・ブランは入手困難と考え、今回はクリームチーズ+サワークリーム+生クリームをブレンドし、近い味になるよう工夫しました!
K:フロマージュ・ブランじゃないのか~残念。でも無ければ無いで、手に入る食材で家庭でも手軽に作れますね!軽食やホームパーティーには絶品の一品、早く作りましょう!!
M:タルト・フランベは白ワインやビールなどとの相性が良く、焼きたて熱々のタルト・フランベは子供から大人まで大ヒット間違いなし!! ちなみにアルザスワインは白ワインが中心で “リースリング” “ゲビュルツトラミネル”などと、ブドウの品種名で呼ばれています。ワインにも拘ってみてはいかがですか?・・・・・。準備も整ったのでそろそろ作り始めますか!?
F:先生!ビールの準備はバッチリです!!「よく冷えてま~す」
M:コラム上の仮想世界だからOKッ!!!
K:玉ねぎとベーコンはどのように切りますか?
M:玉ねぎは半分に切って、芯を取り、薄切りにして下さい!ベーコンはお好みで、短冊切りか細切りでお願いします。
K:了解!!
F:ソースの味付けの確認をお願いします!(クゥ~ッ)
M:どれどれ、ん~!もう少し塩・コショウして下さい。「塩辛くならない程度にしっかり味付けします」
K:オーブンの温度は何℃にしますか?
M:400℃で3分と言いたいところですが、家庭用オーブンの能力を考えて250℃でお願いします!焼成時間は、焼き色を見て10分前後で出して下さい!!
K:了解!
F:では生地をのばしまーす。
M:焼き上がりが楽しみですね!
K:じゃーソース塗っていきま~す。
M:私は玉ねぎ散らしますね!福知先生はベーコンお願いしま~す!!
F:・・・・・“ ゴックン ”///☆△%$зЮд。
M・K:福知先生??
<コラム担当者>
ゼンメル松田 松田 哲治
クリームパン福知 福知 ゆかり
菓子まし娘 古村 亨子
<このコラムのレシピ>
タルト・フランベ