【ベンチタイム】デニッシュを作る!
●●●●● デニッシュ のよもやま話 ●●●●●
松田(以下M):今回紹介するパンは、幾重もの層が美しい“サクサク”の折り込み生地に、クリームとフルーツを乗せて焼き上げた、見た目も華やかな “デニッシュ” です!
この “デニッシュ” (Danish) 、「デンマークの」という意味があり、デンマーク生まれのように思われがちですが、最初に作られたのはオーストリアのウィーンと言われており、デンマーク国内ではヴィエーナーブロート(Wienerbrot)→“ウィーンのパン”と呼ばれています。
亨子(以下K):今回はデニッシュ生地を使ったパンなんですね。バターをたっぷり折り込んでいるので、層がはっきり浮き出て、おいしそうですね!たっぷりのフルーツとクリームが食欲をそそり、みためもゴージャスです!!
福知(以下F):デニッシュか~!パン屋さんでもたくさんの種類を売っています!!色も鮮やかで、生地は “サクサク”、フルーツは “ジューシー” も~大好キ!考えてみると、折り込み生地も今回で3種類目ですね!ところで、このデニッシュ、折り込みバターが多いので難しそ~!!今までで一番多いのでは?
M:ボーヴォロやクロワッサンでバターを折り込む作業を紹介してきましたが、これまでで一番、折り込むバターの量が多いのが、この “デニッシュ” です。紹介してきた折り込み生地と同じように、生地を捏ねる際は、捏ねすぎに注意して作業してください。
K:加えて言うと、作業温度にも注意した方がいいですね!特に折り込み生地を初めて作る方は、包んだバターが出てこないように、生地を伸ばすときは、温度に十分注意して作業して欲しいです!
それと、作業の前に確認しておきたいのですが、のせるフルーツは焼成後に乗せているのですか?
M:フルーツは、焼成前にのせて焼く場合と、焼きあがってからのせる場合があります。前者を選択するのは、缶詰フルーツを使い、焼いても味や食感、色に影響が出ないときです。後者は、イチゴやバナナなど、焼いてしまうと素材の味や色、食感が変わってしまう生フルーツに有効です!
「今回、バナナを焼きあがってから乗せています」
F:以前作ったボーヴォロやクロワッサンは、朝食や食事時に食べるイメージですけど、今回作るデニッシュは、お菓子みたいですね!そんなデニッシュから、クリームやフルーツをぬいた、食事用のデニッシュなんてあるんでしょうか?
M:デニッシュはお菓子の位置づけでもおかしくありません!色々なクリームとフルーツをのせ、形もさまざまです。パン屋さんの茶色一色の棚に色が加わるので、華やかさを演出することができます。
また、デニッシュの生地だけで作るパンですが、“デニッシュ食パン” というものがありますよ!折り込みバターの量を減らし、折る回数も四つ折りを2回程度で終え、ロール状に巻いた後、縦半分にカットして、断面が見えるようにツイスト成形して食パン型に詰めたものです!ツイスト成形は以前、ハニーブレッドで紹介しましたよね!!
F:そ~だ~!思い出しました!!デニッシュ食パン、懐かしいですね~。ちいさいころ家族ではまっていました!トーストするとおいしいんですよね・・・・・でも最近食べてないな。
K:デニッシュ食パン?毎朝の食事で食べるとなんだかすごい事になりそうですね~!!!
M:バターがたっぷり使われているイメージがあるので、油っぽい食感を連想しがちですが、食べてみるとこれが、おいしい物なのです!福知先生が言うようにトーストして食べると、そのおいしさは格別です。
F:ハイ!すごくおいしかった思い出があります。バターの香りがたまらないんですよね。
K:そうか~うわさでは聞いていましたが、話を聞いていて食べたくなっちゃった!
今度、店で見つけたら買ってみよっ!!
M:話をデニッシュに戻していいですか?
今回乗せるフルーツは黄桃とパイナップルの缶詰、それにフレッシュバナナの三種類です!黄桃は3mm厚さのスライスにして準備します。パイナップルはそのままの形で黄桃と一緒に水気を切っておきます。バナナは変色しやすいので、使う直前に1cm厚の輪切りにしてレモン汁をくぐらせてから盛ります。
K:バナナの変色を防ぐためにレモン汁を使うのは、お菓子でもよくしますよ!あと、ナパージュなどゼリー状の液体を塗って、みずみずしさを演出することもあります!
F:ナパージュか~、一般の人は手に入りにくいので今回はシロップを塗っていますが、なにか代用できるものはありますか?
K:そうですね~、マーマレードなど、透明なジャムに少量の水を加え加熱して使うか、缶詰のシロップにゼラチンを多めに溶かし、冷め気味のトロトロを塗るか・・・・・。そもそも、フルーツ表面の乾燥を防ぐためにナパージュを塗るので、家庭で作って食べる分には塗らなくてもいいですよ!製品としてのクオリティーを上げたければ、塗っていただくとフルーツがずみずしく、おいしそうに見えます!
M:そうですね!作っていただく方が判断されると良いと思います。
では、そろそろデニッシュの成形をしましょうか!先ほどカットして冷蔵庫で冷やしていた生地の状態はどうでしょう?!
F:先生!ちょうどいい具合で生地が冷えて締まってま~す!
K:私はクリームとフルーツを用意します! え~と、絞り袋と口金、口金・・・・・。
M:では卵を塗っていきましょう~!黄桃とパイナップルを乗せる成形には、クリームを絞った後、フルーツを乗せて焼いてください。バナナを乗せる方は、クリームだけ絞って焼きます!
F:バナナをくぐらすレモン汁を絞りま~す!!
M:よろしく~!。じゃー、クリーム絞って行きます!古村先生はフルーツを盛ってくださ~い!
K:OKッ!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。よしっ!・・・フルーツの盛り付けが終わったので、早速オーブンに入れまーす!!松田先生、焼くときに気をつけることは在りますか?
M:デニッシュを“サクサク”の食感に仕上げるために15~18分、時間をかけてしっかり焼き込んでください!
K:了解!
F:バナナをスライスしていきます! ん~、バナナ、バナナっと・・・?
M:あっ!、バナナのスライスはちょっと待ってください。焼きあがって、冷めてからの盛り付けなので、直前でお願いします!
F:はーい!・・・でも、バナナが見当たらないのですが・・・・・・・・。
K:「ごめんなさ~い””」 さっき、スライスしちゃった~(笑)。
M・F:な~にー!(涙) ・ え”~っ!(驚)
K:やっちまったな~!(照)
F:古いです↓(怒)デニッシュの写真撮らなきゃいけないのに~!
M:バナナ変色しちゃったな~、しかたがない買ってきます。
K・F:行ってらっしゃーい!!
M:・・・・・・・・・・・・・。
<コラム担当者>
ゼンメル松田 松田 哲治
クリームパン福知 福知 ゆかり
菓子まし娘 古村 亨子
<このコラムのレシピ>
デニッシュ