【それゆけ!じゃぱに~ずクッキング♪】 合鴨で日本料理
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●合鴨照り焼き●
合鴨(アイガモ)って、知ってますか?これは、アヒルと真鴨をかけ合わせた鴨なんです。
鴨の肉は濃い赤色をしていて、牛肉の赤身のようです。使う部位は主に胸肉です。胸肉は皮には脂肪がありますが、身にはあまり脂が含まれていません。なので、加熱調理をするとき火を通しすぎると、身が固くなったりパサパサになったりします。今回紹介している「合鴨照り焼き」も火の通し加減がポイントです。
ステーキの焼き加減風に言うと「ミディアム」くらいがいい感じです。では、この焼き加減をどのようにして計ると良いのか?これが、なかなか難しく難儀です。
実際、学校で教えるときは、指で触った弾力を目安にしています。何分加熱したとか、何度で調理したとか、鴨の大きさや肉質で変わってくるので、一概に言えません。
日本料理では鴨といえば葱が相性の良い取り合わせです。これは、葱に含まれる成分が鴨のにおいを消してくれたり、鴨のうま味を引き立ててくれたり、相乗効果があるからなんです。昔の人は長年の生活の中から、美味しいもの同士を見つけていたんですね。
ところで雑学ですが、アヒルは「家鴨」と書きますよね。なぜ「イエカモ」と書くのか?
実は、アヒルというのは、古い時代、中国やヨーロッパで真鴨を飼いならして家禽化したものなんですよ。アヒルの飼育は、ヨーロッパでは紀元前後に始まったとか、中国ではもっと古くからなどという説があります。すごいですよね!2000年くらい前の人間が、鴨を飼い慣らしていたなんて……。
鴨はもともと渡り鳥ですから、日本で食べようと思えば秋から冬にしか捕らえることができなかったのですが、中国からアヒルが入ってきて一般に広まり、秋冬だけではなくいつでも食せるようになったみたいです。
それから、鴨にまつわることわざがあります。いくつか紹介すると
* 鴨が葱を背負ってくる ~ ますますおあつらえむき
* 鴨にする・いい鴨 ~ 利用しやすい好人物
* 鴨の浮き寝 ~ おちおちとしていられない
* 鴨の水掻き ~ 人知れず苦労をする
* 鴨の脛 ~ 短いもののたとえ
こんな風に見ていくと、鴨はあまり良いたとえには使われていないですね。お人よしで、それでいて人知れず苦労をして、かわいそうになってくる鳥です。
最後に……ととのいました~!鴨とかけて 大阪の人とときます。そのこころは?どちらもネギって(葱切って、値切って)ばかりでしょう!
<このコラムの担当者>
なにわのB級グルメ!粉もん大好き! 橋本宣勝
辻調の御言持(みことも)ち 重松麻希
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合鴨照り焼き
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