【辻調おいしいレシピ・Pick UP! 食材編】第11回 フグ
●本日のレシピ
ふぐ鍋(『落語食堂』より)
フグの危険は大きく2つ。
1つはテトロドトキシンという毒、それから強靭な歯。
フグの学名テトラオドンティダエ(Tetraodontidae)はラテン語で「大きな歯が四本ある」という意味なのだそうで、フグの歯には十分に気をつけなければなりません。(アルミ缶くらいなら簡単にかみ切るそうです)
養殖されたトラフグが多く出回っていますが、その歯の鋭さで網をかみ切って逃げたり、仲間同士で噛み合ったりしてしまうので、年1~2回歯を切る作業が発生するそうです。
切ってもまた伸びてくるため上の歯は抜いてしまい、下の歯は切るという作業を繰り返します。
数が数(数千尾~)だけに大変な作業で、世の歯医者さんもびっくりです。
一方の毒については、陸上養殖したトラフグの肝臓(毒を持つことで知られる)は食べられるのではないかということで、国に許可を求める事例がありますが却下され禁止ですのでお間違えなく。
また、「全オスのフグ」に注目が集まっています。
何といってもフグの白子は魅力的ですが、当然ながらオスからしか取れません。
それではということで、トラフグの養殖量日本一の長崎県では、オスの稚魚だけを生産して養殖しようという試みが行われています。
そろそろ実用化出来そうとのことで、白子が少し身近になるかもしれません。
毎日新聞夕刊掲載「美食地質学入門」でもフグを取り上げました。
企画部 藤井嘉人