【辻調おいしいレシピ・Pick UP! 食材編】第13回 脱皮
●本日のレシピ
ワタリガニしんじょの吸物
脱皮する生き物はたくさんいますが、中には脱皮することで成長していくものもいます。
人間もそうでしょうか?一皮むけて、時には抜け殻になったりして。
カニもそうして大きく成長していきます。
ズワイガニの場合はあの複雑な形ですので、難しい脱皮を何度も繰り返し1kgを超えるまでに成長します。
オスはこのようにしてどんどん大きくなり、最終の脱皮が終わるとそれ以上は成長せず「カタガニ」と呼ばれ、あとは爪だけが大きくなっていきます。
脱皮を繰り返している間は「ミズガニ」と呼ばれます。
殻ごと食べられるのが売りの「ソフトシェルクラブ」は、脱皮したてのブルークラブなどをすぐに冷凍して商品化したものです。
一方メスは7~8年で脱皮をやめ、産卵に備えます。
そのため、オスとメスの大きさがまったく異なるのです。
さてカニの殻についてですが、硬くて食べるときには厄介ですが、その殻にも使い道があります。
殻には利用価値の高いキチンという物質が含まれています。
キチンとこれをアルカリ処理したキトサンには様々な用途があり、医薬品、健康食品、化粧品などに利用され、たとえば健康食品として最近よく耳にするグルコサミンの多くはこのキチンから作られます。
また農業においては、肥料や病原菌の防除にカニ殻が利用されています。
かつては廃棄されていたカニ殻が今や有用な資源となっています。
◆毎日新聞「美食地質学入門」でも「カニ」を取り上げています!
https://www.tsujicho.com/hotnews/cat623/-31.html
企画部 藤井嘉人