【辻調おいしいレシピ・Pick UP! 食材編】第20回 エビ
●本日のレシピ
空豆と小エビの炒め物
世界のエビの種類は約3000種で、日本人が食用にするものは20種類以上と言われます。
歩くエビや泳ぐエビ、大きいものから小さいものまでたくさんの種類のエビたちがいて、淡水や海水、浅場から深海までいろいろな場所に棲んでいます。
地域での消費が中心のものも多く、地方名で呼ばれるとどんなエビを指しているのかわからないことがままあります。
たとえば、『ホッコクアカエビ』は一般に「アマエビ」という名で呼ばれることが多いのですが、地方によっては、「アカエビ」、「ナンバンエビ」、「トウガラシ」、...などと呼ばれます。
そもそもエビには体色の赤いものが多いこともあって、本来の『アカエビ』以外にその名で呼ばれるものは非常に多く、『ホッコクアカエビ』のほかにも『ヒゲナガエビ』、『サルエビ』、『ツノナガチヒロエビ』、『アルゼンチンアカエビ』などが挙げられます。
一方、先述のように「アマエビ」というと『ホッコクアカエビ』を指すことが多いのですが、静岡県では『ジンケンエビ』というエビを指すそうで、混乱してしまいます。
この『ジンケンエビ』は深海で生活するエビの1種で、先日『アカザエビ』の取材で訪れた東三河でも水揚げされるそうです。(➡アカザエビの取材の様子はこちらから)
その深海に棲むエビも多種多様で、『アカザエビ』や『ジンケンエビ』以外にも有名どころだけでも『サクラエビ』、『トヤマエビ』、『シラエビ』、『ホッコクアカエビ』、『ボタンエビ』、『トゲクロザコエビ』などが挙げられます。
ちなみに、
・『トヤマエビ』は「ボタンエビ」と呼ばれることが多いが、本当の『ボタンエビ』は別種で、共に非常に美味との評価
・富山の「シロエビ」は正式には『シラエビ』
・『トゲクロザコエビ』は日本海側の各地域で水揚げされるが、鮮度落ちが早いため地元消費が中心で、「ガスエビ」、「モサエビ」などの地方名があり、美味との評価
など、呼び名は複雑ですが、日本列島にはおいしいエビがたくさんいますので、旅先では是非味わってみてください。
※『〇〇〇』は標準和名、「〇〇〇」は地方名および一般名
企画部 藤井嘉人