"グレーテル"のスタジオから 【映画『グランド・ブダペスト・ホテル』のコーティザン・オ・ショコラ】
1月15日放映の<グレーテルのかまど>ご覧になられましたか?
なかなかグレーテルの残したメッセージが意味深で、目にした時は「なんのことやら」でしたでしょ?
そのメッセージは「あやうさを味わいたい!」でした。
かまど「ああ、あやうさといえば、あのお菓子ねっ」
という事で紐解かれたのは「映画『グランド・ブダぺスト・ホテル』のコーティザン・オ・ショコラ」です。
この映画の中でコーティザン・オ・ショコラは随所で活躍し、この映画で重要な役を担っていました。
そんなコーティザン・オ・ショコラを作っていきます。まずはシューです。
いつもどおりに牛乳、バター、グラニュー糖、塩を鍋に入れて沸騰させて、
小麦粉を一気に加えてヘラで混ぜてまとめます。
次はこのシュー生地を絞りだします。「ほどよい厚さ」がポイントですよ。2㎝ぐらいが適切。
あまり厚いと膨らむ力が負けてしまうのです。
*レシピ指導(エコール辻東京:小野達也先生)
このコーティザン・オ・ショコラが生まれるヒントとなったのは
1850年頃にフランスに誕生したチョコレートやフォンダンをまとい
シューを重ねた「ルリジューズ(修道女)」というお菓子。
コーティザン・オ・ショコラは一段多く積み重ね、パステルカラーで色をつけ現代風にアレンジしたもの。
この"コーティザン"は"高級娼婦"の意味。
なんと"修道女"を"高級娼婦"に変身させるという大胆な発想だったのですね。
続きの作業はシューの中にいれるクリームを作っていきます。
温めた牛乳にココアパウダーとビターチョコレートを加えて溶かして、
そこに今日はとろみをつけるためにコーンスターチとグラニュー糖を溶いた牛乳を混ぜ合わせます。
これが沸騰したらバターとブランデーを混ぜ合わせます。
ブランデーはこくと香りを出すためです。
出来上がったクリームをシューの中に絞り入れていきます。
そのためにまずはシュー生地の裏に絞り袋の口が入るように竹串で穴を開けます。
次は仕上げの飾りつけ。4種のアイシングを用いてヘンゼルのセンスでビビッドな色を作ります。
シューを三段重ねにして完成です。
この映画のクライマックス。追いつめられたゼロとお菓子屋の少女の命のピンチ。
しかし、このピンチは箱に入ったコーティザン・オ・ショコラに救われるのです。
映画「グランド・ブダぺスト・ホテル」。そこに登場し、大切な役割を持ったコーティザン・オ・ショコラは、
この世界のもろさとともに、未来に受け継がれてゆく希望を映しだすお菓子だったのですね。
月曜日の夜は、グレーテルのかまどをお楽しみに!
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『グレーテルのかまど』
毎週月曜日放送 22:00~22:25 【NHK Eテレ】
再放送毎週水曜日 10:25~10:50【NHK Eテレ】
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