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毎日新聞連載 -美食地質学入門- 第34講「アカザエビ」

新聞
美食地質学入門

2021.04.05

4月6日(火)の毎日新聞(夕刊)に美食地質学入門が掲載されました。

テーマ食材はアカザエビ


今回は、愛知県の東三河にアカザエビを訪ねての対談となりました。
対談場所は、豊橋市にある「ホテル アークリッシュ豊橋」の「RESTAURANT KEI」。
このホテルは昨年、愛知県出身の将棋の藤井聡太2冠が王位戦第一局を戦ったところです。

さて、名前のアカザは植物の名に由来するとのことですが、日本近海にはアカザエビ、サガミアカザエビ、ミナミアカザエビの3種類の仲間がいます。
今回使用したのはその中のアカザエビですが、200m~400mの深海に生息し、おもな産地としては駿河湾や相模湾、熊野灘、それから渥美半島の外海の遠州灘などが挙げられます。
最近では遠州灘での水揚げが激減したため、今回訪問した蒲郡漁業協同組合所属の漁船は遠く熊野灘などで操業しているそうです。
そもそも日本国内での漁獲量が少なく、地元で消費される他は、豊洲市場などに出荷され高級店でお目にかかる程度です。

海外にも仲間がおり、ヨーロッパアカザエビ、ニュージーランドアカザエビがスコットランドやニュージーランドなどから輸入され、フランス料理ではラングスティーヌ、イタリア料理ではスカンピという呼び名で利用されています。



▲渥美半島から遠州灘を望む

さて、本題の遠州灘と三河湾に挟まれた渥美半島の成り立ちについて、巽先生のお話は新聞紙上及び
毎日新聞ホームページをご確認ください。


▲今里総料理長の料理説明

料理は本校の卒業生でもある今里総料理長にご担当いただきました。
今里さんは東三河の良さを発信するため、地元の食材を活用すべく農家をはじめ生産者との交流を熱心に行っているそうです。
その東三河の食材をふんだんに使って3品を提供していただきました。




▲蒲郡産アカザエビのマリネと豊橋産大葉香るフリット
今里総料理長;
<蒲郡産アカザエビのマリネ>新鮮なアカザエビは臭みもなく、みずみずしくもっちりとした食感と甘みが特徴であり、これを新玉ねぎと一緒に甘酢で軽くマリネして提供しました。エビの甘みとほのかに感じる酸味が美味です。
<豊橋産大葉香るフリット>豊橋名産の大葉をフリットの衣に混ぜ、アカザエビに纏わせ、身に火を入れすぎないように揚げました。ぷりぷりでしっとりしたエビと大葉の香りが楽しめる一品です。


▲東三河の野菜たっぷり 蒲郡産のアカザエビのスープ
今里総料理長;オードブルでアカザエビの身を取り出した後にでるエビの頭と殻でとった、アカザエビの香りとエキスが楽しめるスープです。
 下処理後直ぐにスープを作るので臭みもなく、火を入れたエビの綺麗な紅い色がスープにも出ているのが特徴です。


▲蒲郡産アカザエビのグリル ハーブバターとトマトのソース
今里総料理長;アカザエビを殻つきのまま半分にカットしオリーブオイルで強火でサッと身の表面と殻側を焼きます。後はフライパンから取り出し、余熱でじっくり火を通しました。
 提供の際に、ハブバターをフライパンに溶かし、トマトを入れ、エビをフライパンに戻しバターが絡まる程度に一瞬温めて提供。表面は弾力があり、中の身はしっとりと焼き上げた一品です。


素晴らしい料理に皆から感嘆の声が

合わせるお酒は、ホテルにご用意いただいた福井酒造株式会社「四海王 純米吟醸 真」と関谷醸造株式会社「蓬莱泉 純米大吟醸 空」。
フレンチでのアカザエビとの相性や如何に。

5月は夕刊休刊日のため、次回は6月でテーマは「タコ」

どうぞお楽しみに。