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毎日新聞連載 -美食地質学入門- 第42講「下仁田ネギ」

新聞
美食地質学入門

2022.01.05

1月4日(火)の毎日新聞(夕刊)に美食地質学入門が掲載されました。

テーマ食材は下仁田ネギ

ネギにはたくさんの種類があり、全国各地で栽培されています。

食用にする部分で分類すると、葉ネギと呼ばれる主に緑の部分を利用するもの、根深ネギと呼ばれ土を被せて白く軟白した部分を主に利用するもの、緑の部分と白い部分の両方を利用するものがあります。

大雑把にいうと、愛知県の越津ネギをはさんで西は葉ネギ(青ネギ)、東は根深ネギ(白ネギ)と分かれるようです。
最近では東西というより用途によって使い分けることが増えているようですが、東西のちょうど中間の地域に緑の部分も白い部分も両方使う前提で栽培されている越津ネギがあるのは興味深いところです。

品種に着目すると、他の野菜と同様に、品質向上や栽培のしやすさなどを求めてF1種の栽培が増えました。
一方で、在来種・固定種を自家採種し、品種を守り育てているところも各地にあります。
その中には栽培法についても伝統的な方法を守って、何度も植え替えたり、途中で乾燥させる作業を行っている場合もあります。
地域によっては土壌の硬さなどの関係で、植え変えの際にわざと斜めに植え、曲がりネギという名前がついたものも散見されます。
これらの工夫は、甘みを増すためあるいは強く立派に成長するように、というのがその理由のようです。

また、一般的な品種を用いるものの、栽培中に海水を散布するといった特別な方法を取り入れている産地もあります。

流通面で見てみると、小売店などでよく目にする一般に根深ネギ(白ネギ)と呼ばれているものは、出荷基準が決められていることが多く、白い部分の長さが30cmで葉が3枚などとなっているようです。
核家族化が進み、単身世帯も増加したことを考えると、もう少し短い方が便利かもしれません。

さて今回は、有名なブランドネギの一つである群馬県下仁田町の「下仁田ネギ」を取り上げます。
栽培には15か月という長い期間が必要で、途中に2度の植え替え作業を行うという手間ひま掛けて育てられるネギです。
仕上げに収穫後天日で乾燥させ、めでたく出荷となります。
これだけの手間を掛けて育てられるものは希少で、最近では他地域でF1種や栽培法の異なるものもつくられています。

さて、本題の巽先生のお話は新聞紙上及び
毎日新聞ホームページをご確認ください。

今回の料理の担当は松島愛先生です。






▲下仁田ねぎと合鴨の炊き合わせ

松島;相性のよい鴨と葱を組み合わせた煮物です。甘辛く煮た合鴨にたっぷりの葱を添えました。濃い目の味に負けない下仁田葱の力強さを感じられる一品です。


▲下仁田ねぎの天ぷら
松島;下仁田葱に餅と唐墨と金柑の皮を鋳込んで天ぷらにしました。異なる食感と金柑のさわやかな風味が後を引きます。


▲下仁田ねぎと豆腐の蒸し物
松島;柔らかい豆腐の生地に下仁田葱を混ぜて蒸した一品です。少し醤油をきかせた銀あんと生姜がよく合います。


▲鰆香りねぎ幽庵焼き
松島;幽庵地に胡麻油で炒めた下仁田葱を混ぜた地に、寒鰆を付けた焼いた一品です。下仁田葱のコク深い味と香りを楽しめます。


▲下仁田ねぎのお浸し
松島;香ばしく焼いた葱と蒸してトロっとした2種類の食感や香りを楽しめるお浸しです。鰹節をたっぷり添えます。

合わせるお酒は、聖徳銘醸株式会社の「鳳凰聖徳 純米吟醸」と「鳳凰聖徳 特別純米酒」。


次回2月のテーマは、山形県のタラ(マダラ)です。


どうぞお楽しみに。