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毎日新聞連載 -美食地質学入門- 第47講「ダイミョウタケノコ」

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美食地質学入門

2022.06.08

6月7日(火)の毎日新聞(夕刊)に「美食地質学入門」が掲載されました。

テーマ食材は「大名筍」(だいみょうたけのこ)。





竹・笹の仲間はイネ科の植物で、草の特徴も樹木の特徴も持ち合わせている独特な存在です。
樹木の幹にあたる稈(かん)には節(ふし)があり、中が空洞。
この節の存在から竹の花言葉は節度なのだそう。
やたらと成長速度が速く、横方向には柔軟性があってしなやかで強く、一方縦には簡単に割けてしまうという性質があります。
これらの性質を利用して様々な分野で活用され、多くの竹製品も作られてきました。
またタケノコは食用に利用され、日本にもその収穫目的で移入されました。

竹・笹の仲間の数は日本だけでも150種類から600種類とさまざまな説がありますが、食材として利用されるものはモウソウチク、マダケ、ハチク、チシマザサなど数種類に限られます。
植物分類学では、竹とは稈(かん;地上に伸びる節のある太い部分、樹木の幹にあたる)に皮が残らずすぐに落ちるものを指し、笹は皮がいつまでも残っているもの、とされています。


▲ササ


ただ、その名にササと付く竹があり、逆にタケとつく笹もあるため、非常に紛らわしいです。
笹は竹より寒さに強いため、日本で種類が多いのは圧倒的に笹です。

連載2回目で取り上げたモウソウチクのタケノコは最も身近なタケノコですが、これが外来種と言われると、「えっ」と意外に感じる方もいらっしゃるかと思います。
この竹がタケノコの収穫用に日本に導入されるとすごい勢いで増え続け、最近では竹害被害が問題になっています。
竹製品がプラスチック製に変わり、タケノコは安価な輸入品が入ってきたことで、放置された竹林が増え、様々な竹害を引き起こしています。

さて今回は、あまり馴染みはないのですが、味には定評のあるリュウキュウチクのタケノコを取り上げます。
このリュウキュウチクのタケノコは大名筍という別名を持ちます。
鹿児島本土のカンザンチクのタケノコも大名筍という名で呼ばれ、どちらもその味の良さや希少さからその名が付けられたようです。
ちなみに、前述の竹・笹の区別でいうとどちらも笹になります。

本題の巽先生のお話は新聞紙上及び毎日新聞ホームページご確認ください。

料理は、大引先生自らの担当です。



堅いのなんの!!
本当に柔らかくいただけるのだろうか?

やっぱり杞憂に終わっての前菜からです。


▲前菜3種


▲大名筍の白和え
(大名筍、海老、胡瓜、粟麩、紅たで)


▲大名筍の揚げ浸し


▲大名筍のすり流し


▲豚角煮
(大名筍、豚バラ肉、山東菜)
山東菜は鹿児島産です。


▲焼き筍
堅い皮で守られた大名筍、むくときにはパッキン、パッキンと大きな音が...


▲ちらし寿司
(海老、烏賊、椎茸、絹さや)



合わせるお酒は、鹿児島の芋焼酎、佐藤酒造有限会社「佐藤の白」。


一週間前に開栓し、焼酎5.5対水4.5で前割し冷蔵庫にて保存しておきました。

ストレート、ロック、前割による水割り、そして錫のちろりで前割を燗で。


次回7月のテーマは鳥取県の「ラッキョウ」

どうぞお楽しみに。