毎日新聞連載 -美食地質学入門- 第3講「ホタルイカ」
毎日新聞(夕刊・関西版)で毎月第一火曜日に連載中の「美食地質学入門」。
第3回目が6月5日(火)の毎日新聞(夕刊)に掲載されました。
今回はいつもの取材場所である学校を飛び出し、ホタルイカが獲れる富山県滑川市へ。
到着すると、立山連峰がお出迎え。
まずはホタルイカ通りを進み、「ホタルイカミュージアム」へ。
館長の小林昌樹さんからホタルイカの生態や藁網を使った定置網漁について説明していただきました。
想像しているよりもシンプルな構造で、ホタルイカの生態を利用したものでした。
そしてとにかく驚いたのは、ホタルイカの大きさ!約10cmほどで、関西で見るものよりはるかに大きい。
理由はぜひ本紙で。
実際に巽先生と大引先生も触れてみました。
ミュージアムのすぐ後ろは富山湾。網が仕掛けられていました。
一気に水深200mになるそうで、全国からダイバーがあつまる人気スポットだとか。
理由はこんなに陸から近くて、深海魚が見られるからだそう。うーん、なるほど。
そして翌日朝4時、滑川漁港へ。
次々と獲れた魚が運ばれてきます。しかし、今年はやはりホタルイカが不漁の様子。
この日は2ケース。例年であれば10ケース以上のホタルイカが獲れるのだとか。
その後は滑川春網定置漁業組合の水橋さんにお話をうかがいました。
ホタルイカのおいしい食べ方では、大引先生とも話が盛り上がり、
「やはり現地だからこその食べ方がある。改めて滑川に来てよかった」と大引先生。
場所を移して、水産品加工・卸のカネツル砂子商店へ。
ベテランのみなさんが、すごいスピードで朝獲れたホタルイカを選別中。
魚にかじられていたり、傷があったりと売り物にならないものを分けているそう。
続いて、釜揚げをしている現場を案内していただきました。
砂子典章専務にボイル仕立てをいただくと・・・2人のこの表情でおいしさは伝わりますよね。笑。
このあと、氷水で締めたものもいただきました。
改めてホタルイカは、身だけではなくワタも楽しむ食材なんだと実感。
あまりにおいしくて、一行はカネツル商店さんの「ホタルイカ沖漬け」を購入。
「生きたまま」ホタルイカを醤油漬けに。生きたまま、というのはカネツル商店さんだけのオリジナル。
余談ですが、家に帰って白いご飯の上にのせて食べたら、、、すごく幸せになりました 笑。
さて、場所をうつし対談場所へ。
お店は、「割烹あらき」。
ご主人の荒木清文さんからは、ホタルイカの様々な料理を提供していただきました。
ホタルイカの活漬け、麹漬け、醤油麹漬けに釜揚げ。
釜揚げは昆布の出汁でホタルイカの中心温度を60度以上にすることがポイント。
「なるほど。ホタルイカの甘みをより感じる」と大引先生。
最後は、いしるに漬けたホタルイカを焼いて。
だんだんきれいに色付くホタルイカに思わずうっとり。
今回は、ホタルイカについて「生態を研究している方」「獲っている方」「加工する方」「調理する方」と
様々な角度で話を聞くことができました。
「ホタルイカの考えが180度変わった!」と大引先生。
現地に行くことって、やはり大事!そしてこんなにおいしい食材を生んでくれた富山湾と日本海に感謝!
究極のテロワールを実感しながら、滑川を後にしました。
次回もどうぞお楽しみに!