毎日新聞連載 -美食地質学入門- 第8講「グジ」
11月6日(火)の毎日新聞(夕刊)に掲載された「美食地質学入門」。
今回のテーマは「ぐじ」。
赤甘鯛のことで、京都・福井では「ぐじ」とも呼ばれています。
取材であつかったのは福井県産の「若狭ぐじ」。
ステッカーの下には、「若狭高浜 宏栄丸」と水揚げ漁港と漁獲した船名が記載されています。
「個人的には調理するのがとても好きな魚ですね」と大引先生。
ぐじは、様々な料理に合う食材。お造り、揚げもの、焼きもの、蒸しものなど、バリエーションも豊富ですね。
早速、巽先生からは「沈み続ける若狭湾」についての講義が。詳しくはぜひ本紙で。
第1講に出てきた瀬戸内海の「鹿ノ瀬」も豊かな餌場でしたが、若狭湾にもあるようです。
若狭湾は沈み続け、地層がずれて断層が発達する-だからこの場所は地震が多い場所。
同じく第1講の冒頭で、巽先生が「日本列島は変動帯であることから火山活動や地震などたくさんの試練を受けてきたけど、それだけ恩恵もこうむっている」という話が連載の回を重ねるごとにじっくりと理解できます。
料理を担当したのは、毛利英二先生。
▲エコール 辻 大阪の在校生が助手として活躍してくれました。
今回も取材前に大引先生と一緒に若狭湾を訪れ、漁師さんや漁港関係者の方に話を聞いてきたそう。
毛利先生「とにかく徹底した鮮度と品質管理に驚きました。このように針がついたままで売られているんです。身を傷つけないためですね。」
今回、料理に合わせたのは同じ若狭の地酒「早瀬浦」(三宅彦右衛門酒造)。
黒ラベルでお馴染みの早瀬浦の山廃純米酒。伝統的な生もと造りの「山卸し」という米をすりつぶす作業を廃止したのが「山廃」です。
優しい酒質で、しっかりとした酸を上品な優しさでコーティングしているように滑らかに感じます。
また温度帯によっていろいろな表情があり、今回は燗にして料理に合わせました。
ご協賛いただいた「三宅彦右衛門酒造」さん、誠にありがとうございました!
今回のブログはここまで。
次回のテーマは「サワラ」。どうぞ、お楽しみに。