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『落語食堂 らくしょく』開店!(47日目)

新聞
落語食堂

2016.05.10

毎日新聞夕刊(関西版)5 /10(火)号に掲載されている『落語食堂』
さて、落語食堂<らくしょく>開店です!






今回のお噺は 「ちりとてちん

旦那の誕生日に、近所に住む男がたずねてくる。
鯛の刺身、茶碗蒸し、白ご飯など、出された食事にうれしがり、
「初めて食べる」などとべんちゃらを言い、旦那を喜ばせる。
そのうち、「竹さん」の話になる。竹さんはなんでも知ったかぶりをするため、
一泡吹かせようという相談が持ち上がった。

そこで水屋で腐った豆腐が見つかり、
これを「長崎名物ちりとてちん」として竹さんに食べさせようと、相談がまとまる。
そうとは知らずに訪れた竹さんは、「ちりとてちん」を知っていると食べてしまった。
一口で悶え苦しむ竹さんに、旦那が「どんな味?」と聞くと、
竹さんは「ちょうど豆腐の腐った味や」と言った。・・・そんなお噺。



今回のお噺には、たくさんの料理が登場しますが、さてさて。


担当は日本料理 中村泰弘先生。
中村先生は落語食堂3回目の登場です。


実は過去2回、先生が担当したお噺には一切料理が登場しませんでした。
ですので、今回はお噺に出てくる料理からいろいろと想像を膨らませたんだそう!


はたして、「腐った豆腐」は出てくるのか?!ドキドキしますね。



まずは、本日のお酒です。


「澪 DRY」です。
微炭酸の日本酒です。
中村先生「りんごのような香りですね。ドライには珍しいです。」
吉坊さん「確かにりんごです。あまりお酒っぽくない感じですね。」


スッキリしたお酒のようですね。



それでは、1品目です。「鯛の刺身


扇形の器に盛り付けました。


吉坊さん「鯛の季節はいつですか?」
中村先生「春と秋ですね。桜鯛(さくらだい)、紅葉鯛(もみじだい)ですね。 ちょうど今の季節です。」
吉坊さん「この黒いのはなんですか?」
中村先生「岩茸(いわたけ)です。木耳(きくらげ)よりボリュームが少なく、
    ゆっくりゆがいてやわらかくしました。
    実は、黒の食材は少ないので、盛り付けの良さのために岩茸を入れました。」


確かに、日本料理は、盛り付けに5色を入れるときれいといいます。
白、黒、黄、赤、青(緑)ですね。


中村先生「吉坊さんは、白身のお刺身を食べることが多かったですか?関西ですと」
吉坊さん「師匠はブリやトロが好きで。」




そこから、米朝師匠と吉坊さんとの思い出話が始まりました。
懐かしそうに話す吉坊さん。



と、ここで次の日本酒へ。


「玉乃光」です。



2品目です。「笹身胡麻酢豆腐和え
酢豆腐、登場です!



吉坊さん、ドキドキ。
中村先生、ニコニコ。いや、ニヤニヤ?笑





吉坊さん「もっと、ゴマの香りがするかと思いましたが、あまりきつくないですね」
中村先生「そうですね。ささみは塩をあてて焼き、椎茸は一度煮ています。
胡瓜は塩でもんで、下処理をしました。それぞれの味を殺さず、ですね。」
吉坊さん「これもお酒に合いますね!玉乃光は師匠が好きだったお酒です。」


と、ここから器のお話に。


吉坊さん「おもしろい器ですね」
中村先生「今回、『竹』 さんが出てきたので緑の器にしました」
この器、確かに気になりました。
料理をより美しくして、演出してくれる器ですね。



それでは、最後の料理です。
箱の中身とは?!



豆腐の味噌漬け

お噺の中では、腐った豆腐がでてきましたが、さて?!


吉坊さん「見た感じはお菓子のようですね。鼻をつまんで食べた方がいいですか?」
中村先生「大丈夫、安心してください 笑」






吉坊さん「発酵したものですね、味噌ですか?」
中村先生「正解です。味噌漬けです。1週間豆腐を味噌につけて、毎日余分な水分をとりながら
漬けました。」





中村先生「出てくるもので、どうひねらすのか、くさった豆腐をどう表現するか
悩みました。」




この豆腐の味噌漬けはワインにも合うと思います♪



吉坊さん「『竹さん』という人は、もし今いたら嫌われていたかもしれませんねぇ。
昔の人は怒っていたけど、寛容だったのかもしれないですね。
本当の悪人ではないですし。」


確かに何でも知ったかぶりをする竹さんも、最後だけは
「豆腐がくさった味」と素直に言っています。そんなところも妙に愛らしいですね。
憎めないキャラとはこのことです。
そんな竹さんをだましたくなる気持ちもなんだか分かりますね。




ということで、今回の落語食堂はここまで。

レシピはこちらです

最後までこのブログを読んでくださり、ありがとうございました。
中村先生は次回、9月に登場予定です。
それでは、次回の落語食堂もどうぞお楽しみに!