この料理が“アッラ・ディアーヴォラ(悪魔風、魔女風?)”と名付けられた由来には二通りの解釈がある。一つには鶏一羽を開いた形がマントを広げた悪魔の姿に似ており、それを『悪魔が焼くように』(つまり業火で焼かれた罪人のように)焼くことに由来すると言われている。もう一つは『悪魔のように見せて』調理すること、すなわち赤く燃え上がるように調理するという意味で、これは赤とうがらしやその他のピリピリ辛い材料をたっぷり用いるので食べた人が「火がついたようになる」状態を指すものと思われる。いずれにせよイタリア料理で鶏に関して「alladiavola」という場合には、単に炭やグリル板、フライパンなどで表面をカリッと焼き上げて火を通した鶏を指す。トスカーナ州の町インプルネータ(Impruneta)の、春にたつ市で生まれたとされ、トスカーナでは同じ方法で鳩を調理することもある。 先生からのひとこと今回はフライパンでの調理方法を取りましたが、重しをしながら焼くところがポイントになっています。マリネすることで、まず鶏に風味を付け、あくまでも表面の皮は香ばしく焼きあげて、レモンと上質なオリーブ油でいただく。上質のオリーブ油は上質なソースの一つであることが理解できる、イタリアらしい料理といえます。 |