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京料理の定義について

杉浦
 その有職料理が「京料理」と呼ばれる料理の根底にあるのでしょうか。

小西氏
 京料理と一口に言いますけどその成り立ちはそんな簡単ではないんです。
鎌倉時代にやね、禅宗の影響で精進料理がでてきた。それと、足利末期に、フィリピン辺りからきたのを南蛮料理というた。堺とかに世界各国から来た料理が、いわゆるモダンなものとしてはいってきたわけです。これをとりいれて茶懐石が生まれた。で、最後が町方料理。これは京都の一般の人が食べるお惣菜やお万菜やね。この五つが混合、ミックスするわけ、ある時期に。で、それぞれの料理屋が、扱う材料は大体同じやけど、味付けの仕方や盛り付けの仕方にそれぞれ特徴をだしよった。だから、京料理いうても、それぞれの店の京料理があるわけ。ひとつの店でパーフェクトとは言えない。だから京都の老舗の料理屋さんやったら、みんなルーツをもっとるわね。有職系やったらうちとか、茶懐石やったら辻留とか、柿伝、町方やったら中村楼、平八、美濃吉とかね。そういうことで、京料理というのが枝を広げてきたわけやね。京都ではそういうルーツが的確にあるから老舗と言うんやね。大阪やったら百年続いたら老舗とかいうんやろうけど、京都じゃそんな、とんでもない(笑)。だから、店それぞれが同じようなもん使いながら、どこかちょっとずつ違うとこ出していったんが京料理。そこのうちの京料理、っちゅうわけやね。
だから、有職料理イコール京料理っちゅうわけではないんです。





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京料理の神髄を探る




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