京都が薄味といわれる理由
杉浦
京都はよく薄味といいますが、これは貴族社会があったからですか。
小西氏
京都は薄味やというけど、京都は山国やから野菜はとれるわね。で、昔は野菜炊くいうたらね、家族も多いから、いつぺんにぎょうさん炊く。ね、そしたら余るでしょ。それをぎょうさんを濃い味をつけたら、その日に全部たべきれんかったとき、余計濃いなる。次の日も熱うして--野菜て熱うして食べるのよ。冷たいんは漬物やで--熱々にして食べる時、味が足らん人は、お浸しいうて醤油とか辛子とか山椒とか七味や一味とか、適当に調合してつけて食べたん。炊けたときにおいしいても、時間が経つと味がしみこみ過ぎてたべられへんてあるやないの。だから、薄味が基本いうのはそういうことや。勿論、貴族社会もそうしてた。で、京都は野菜がぎょうさんとれるから、向こうから乾燥したタラ、棒ダラがきたら、京芋と合わせて、芋ぼうとなるわけや。塩をしたサバがきてサバ寿司や。それが、京都のご馳走でもあるし特徴でもある。