現代フランス料理用語辞典
本書は、1991年に刊行され、2007年に新訂版が出た『フランス料理基本用語』を大幅に増補改訂したものである。
現代の最先端の料理まで視野に入れ、食材や機器の名前、料理名や菓子名、人名など広範囲の語彙を加え、3000語余りを収録した。また、近年の料理人の国際的ネットワークの拡大に対応して、和仏英小辞典を付し、1300語弱を収録した。
初版以来の編集方針である、「料理を作る人がその言葉と出会う場面を想像して用例等を選択する」という編集方針は今回も踏襲した。その言葉が実際にどう使われるかを感覚的につかめるように、用例を充実させ、類語・関連語、反対語も付記した。また、便利なフランス料理史年表などの付録も加えた。
科学的知識を活用して技術革新するなど、21世紀に入ってフランス料理の変化は加速している。しかし、例えばリソレ(熱した油脂で焼き色をつける)というわずか一語で、手順と目的と求めるべき結果を瞬時に理解させる料理の基本用語の重要性に変わりはない。
フランス料理の歴史が磨き上げた技術を次の世代に伝えるのに、本書がわずかなりとも寄与することを願ってやまない。
辻静雄料理教育研究所:
編著者 八木尚子
小阪ひろみ
*山内秀文(辻静雄料理教育研究所 元研究顧問)
*中尾祐子(辻静雄料理教育研究所 元主任研究員)