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【ビバ!!ベバレッジ】中米コーヒー農園を訪ねて パナマ共和国編2

11<飲料>ビバ!!ベバレッジ

2012.02.22

<【ビバ!!ベバレッジ】ってどんなコラム??>


パナマ・ボケテ地区での精製法は、グアテマラと同じく水洗式(ウォッシュト)が主流だが、生産者の新しい試みや買い手の要望によって自然乾燥式(ナチュラル)や半水洗式(パルプドナチュラル)も行われている。今回は、グアテマラで紹介した水洗式以外の方法(自然乾燥式と半水洗式)を紹介する。

栽培されたコーヒーの実は精製工場に運ばれる。パナマの精製工場は個人または地区ごとで経営されている。生産量がパナマ1のドンパチ農園は地区の精製工場で、伝統的なコーヒーを4代に渡って生産しているベルリナ農園では、自社精製を行っていた。なお、このベルリナ農園は、コーヒーノキの栽培や精製を行うほか、カフェも併設しており、コーヒーの全てを見られる貴重な場所である。

<自然乾燥式(ナチュラル)>
収穫後のコーヒーチェリーを、外皮と果肉がついた状態で天日乾燥させることから始まる。この精製法は水洗式に比べて精製工程がシンプルな為、水源が豊かでない場所でも行え、設備投資も低く抑えられる利点がある。しかし、天日乾燥時に石や枯葉などの異物が混入する率が高い。

収穫後のコーヒーチェリー
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"コッコ"(天日乾燥させたコーヒーチェリー)
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天日乾燥させたコーヒーチェリー(コッコ)は麻袋(マタイ)に入れてグレーディング(熟成)させる。この熟成を行うことで独特の風味と味が生まれる。その後、外皮と果肉を脱穀し、ハンドピックで欠点豆を除去した後に、麻袋(マタイ)に入れて再度グレーディングする。内果皮は出荷前に脱穀する。


<半水洗式(パルプドナチュラル)>
収穫したコーヒーチェリーを水槽に入れて高品質の実だけを選別すると同時にゴミや石などの異物を取り除き、さらに果肉除去機で外皮と果肉を取り除く。その後、天日乾燥か機械乾燥する。


水洗式では、乾燥する前に果肉と内果皮の間にあるぬめりをすべて取り去るが、半水洗式の精製法は「ミューシレージ(ぬめり)」を残して乾燥させることで、自然乾燥式と同様に独特の風味が生まれる。どれ位乾燥させるかによって味や香りに変化が出るが、品質が安定しない面もある。


1 不純物の除去・果肉の除去

外皮と果肉を取り除く果肉除去機
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2 乾燥

果肉と内果皮の間にある「ミューシレージ(ぬめり)」がついた状態の生豆。この状態で乾燥させる。
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縦型乾燥機(建物の3階くらいの高さ)
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横型乾燥機(ドラム状で回転)
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取り除いた外皮を乾燥機の燃料として使用し、環境にも配慮していた(ドンパチ農園の地区の精製所)
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アフリカンベッド
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天日乾燥は普通は地面に豆を広げて乾燥させるが(グアテマラ編2参照)、希少価値の高い生豆はアフリカンベッドと呼ばれる棚台で乾燥させる。これは地面と棚台の間に空間が設けてあり、豆をかき混ぜなくても均一に乾燥できる。また、雨天の場合にシートでカバー出来る量ごとになっている。この乾燥方式はパナマだけではなく他国でも行われている。


3 グレーディング(熟成)
精製後は、単一品種か数種をブレンドして麻袋(マタイ)に入れ、グレーディング(熟成)させる。

麻袋につけられた表示<単一品種>
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麻袋につけられた表示<数種の品種のブレンド>
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4 脱穀・出荷

グレーディング後はニュークロップ(収穫した年)またはオールドクロップ(収穫した年の2~3年後)に内果皮を脱穀する。その後、機械選別をしてから出荷する。
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<カッピング>

生産農家及び生産地区で消費国と同条件の焙煎を行い、品質をチェックしている。このような設備投資をすることで安定かつ高品質なコーヒー豆の生産を維持している。


ドンパチ農園主と精製工場のスタッフ
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べルリナ農園のカッピングルーム
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カッピング用の焙煎をする前に欠点豆(重量の軽い豆)を振り落とす。実際にしてみると、なかなか難しい!
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今回、グアテマラとパナマのコーヒー産地を巡って、生産者が栽培から精製、出荷に至る情報を公開する事で消費者は安心してコーヒーを購入出来ると思った。また、農産物であるコーヒーは天候などの影響を受け易く、同一農園(同一品種)であっても毎年同じものを生産する事がいかに難しいかを感じた。

担当者情報

このコラムの担当者

マエストロ 寺尾雅典

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