【半歩プロの西洋料理】チーズ・フォンデュ
最近、週末は外食せず、自宅でワインを飲むことが多くなった。パスタ、ローストした肉、野菜のマリネ、魚のカルパッチョ風などの料理に合わせて、ワインもスパークリング、白、赤、ロゼ、フランスワイン、イタリアワイン、国産ワインなど、選択肢は幅広い。けれどいつも最後はチーズとパンになる。
チーズは、20数年前に初めてフランスで食べた、ブリアサヴァラン Brillat-Savarin 、エポワス Epoisses 、マンステール Munster に感動して以来、手放せないものになっている。日本ではやや高価だが、それでも私の中ではワインと切り離せないものである。
まだまだ寒い日が続いている。こんな時思い出すのが、寒い時期にうってつけのチーズ・フォンデュという料理である。
スイスを中心に、フランス、イタリアにまたがるアルプス山脈周辺の、郷土料理の代表的なものである。家族や友人と鍋を囲み、トロトロに溶かしたチーズにパンや野菜、ハム・ソーセージ類などを絡めて食べる。日本では鍋文化があるのですぐに受け入れられるはずだ。ワインもすすみ、会話もはずみ、最高の時間をすごすことができる。
一般的にグリュイエール Gruyère とエメンタール Emmental を使ってフォンデュにするが、好みでチーズを変えて味や香りに変化を求めるのも面白い。私が好きなのは、サヴォワ地方のボーフォール Beaufort とアボンダンス Abondance である。
チーズ・フォンデュは大好きだが、飽き性な私の場合、スタンダードなフォンデュに少しずつ味に変化をつけて食べている。
今回は、その一部をご紹介しよう。
●乾燥セップ茸風味
乾燥セップ茸を水に浸して戻し、細かく刻み、フォンデュの中に加える。戻し汁も少量加える。
(きのこの濃縮されたうま味が口いっぱいにひろがる。)
●ブルーチーズ風味
ブルーチーズを細かくしてフォンデュに加える。
(刺激的な風味がほど良く、塩味のバランスも良い。)
●トマト風味
トマトの果肉を刻んだものを加える。
(酸味と甘味がバランスよく軽く、さっぱりと食べれる。)
●卵風味
フォンデュを作った後、鍋底に残っている固まったチーズに少量の白ワインを加え、混ぜながらアルコールをとばす。溶き卵を混ぜながら加え、半熟状態のところに一口大にカットしたバゲットを加えて混ぜ合わせ、汁気を吸わせる。
(まるで、鍋の後の「おじや」のようで体が温まる。卵に火を通し過ぎないように注意する。)
是非、お試しあれ。
レシピでは、チーズ・フォンデュの作り方をご説明しよう。
<コラムの担当者>
瀬口智博
<このコラムのレシピ>
チーズ・フォンデュ
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