【半歩プロの西洋料理】じゃがいも大好き!
こんにちは!エコール 辻 大阪の伊藤と申します。
今回のコラムのテーマはタイトルにありますように「じゃがいも」です。
じゃがいもはカレー、おでん、肉じゃが、ポテトサラダ、コロッケなどなど、食卓にのぼらない日なんてないのでは?と思うぐらい食べてられていますね。
じゃがいもはビタミンCが豊富で、また加熱に弱いビタミンCをでんぷんがガードするので失われにくいという利点があります。ビタミンCは、骨や皮を丈夫に保ってくれます。そしてストレスに強い体を作り、外部からの敵の侵入に対して戦う免疫力も強化します。さらに抗酸化作用を発揮し、細胞のがん化を防いだり、動脈硬化の進行を遅くして老化を抑制する働きをします。とっても頼りになりますね!
フランス人もじゃがいもがとっても好きで、2kgはぺろっと食べてしまうとか...真偽のほどはわたくしが今度フランスへ行ったときに確かめてきます!
フランスで提供されるじゃがいもを使った料理には例えばCêpes vonnassiennes クレープ・ヴォナシエンヌがあります。
ジョルジュ・ブランというレストランの名物料理です。ジョルジュ・ブランは南部ブルゴーニュ、ブレス地方アン県の小さな村にある、ブレス鶏を使った料理で知られるミシュランの3つ星のレストランです。木々や花があふれるとても素敵なところです。
クレープ・ヴォナシエンヌ ジョルジュ・ブラン(外観)
このように日本でもフランスでもとても食べられているじゃがいもですが、ヨーロッパには1534年スペイン人によって伝えられたと言われています。
フランスには農学者オリヴィエ・ド・セール(1539-1619年)が紹介して栽培されるようになりましたが、当初は家畜の餌や、貧乏人が食べるものとみなされていました。
しかし!パルマンティエ・アントワーヌ・オーギュスタン(1737-1813)という農学者が、偏見にみちた目で見られていたじゃがいもの普及に努めたのです!
当時は飢饉が慢性化しており、主食の穀物の収穫は大打撃を受けていました。
そこで科学アカデミーが「飢饉の被害を軽減する作物の研究」のコンクールを行い、ここでパルマンティエが栄冠を勝ち取ります。
しかし偏見はなかなか拭えず、道は険しいものでした。
ある時、国王ルイ16世からサブロンとグルノーブルの土地を賜ります。そこでパルマンティエはこの土地をじゃがいも畑で埋め尽くし、これ見よがしに昼間は見張りをつけました。
あたかも宝物を守っているかのようなこの策略に騙された人々は、わざと警備をはずした夜のうちにじゃがいもを盗んでいきました・・・というわけで次第に世間に広まっていったそうです。
今回紹介するレシピはHachis Parmentier(アシ・パルマンティエ)。じゃがいもの発展に貢献したパルマンティエの名を冠した料理です。アシは加熱した肉を細かくして作る料理で、ローストビーフの残りなどを利用し、じゃがいものピューレで覆ってグラタンにしたものです。
とっても簡単なのでぜひ作ってみてくださいね!
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