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食のコラム&レシピ

【半歩プロの西洋料理】夏は麺・・・

01<西洋>半歩プロの西洋料理

2013.08.21

<【半歩プロの西洋料理】ってどんなコラム?>

暑い日が続くとどうにも食がすすまなくなる。そんな時には冷たい麺類が手早く出来て食べやすいので、どうしても登場する機会が多くなる。

 

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ある日の昼食の冷麺。つい、麺と野菜が同量になるように作ってしまう・・・。

父曰く「お前が作ると腹が破裂する」

 

夏の休暇中の朝「今日、昼何にする?」と聞かれると「何でもいい」と答える日々が続く(こういう会話があるときは、「お前が作れ」という家族の無言の圧力でもある)。私は本当に何でもよく、2日、3日と素麺が続こうがそばやうどんが続こうが平気なので、それで済ませてしまいたいのが本音である。最近では素麺に絡めるだけでパスタのように食すことの出来るレトルトパックのソース類もあるし、牛乳を混ぜて作る冷たいスープのベースをそのまま使えば簡単に冷たいスパゲッティも出来るので、冷たい麺のバリエーションも楽しめるのであるが、父は元々麺類がそんなに好きではない様子で、「何でもいい」と答える割には麺類が2日続くと「またか」と文句を言うことが多い。

 

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こういった手軽なレトルト食品を業務スーパーでまとめ買い。

ひとつ105円なのに、これは、これなりによく出来ている・・・。

 

この暑いさなかに「カツサンドでもいい」とか「親子丼でもいい」とか「ホルモン焼きでも買ってきてくれたらいい」などと、とにかく肉類が少しでも入っているものや丼物などのような暑苦しい食べ物の名前を口にし、「でも」をつけながらも強要することが多い。暑い中「作ってくれ」といわれて作ることも、目の前で食べられるのも願い下げにしたいので、まとめて素麺のつゆを作って冷蔵庫でストックしておき「傷まないうちに食べきらないといけないから、2日に1回素麺にする」と宣言した上で、「今日は冷麺にするから」とか「今日は冷たいスパゲッティ作るから」と、夏の休暇中を乗り切ることにした。

 

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我が家の定番、干しえびの出しで作った素麺つゆ。夏の必需品である。

 

そういう何日かを過ごした間に気付いたことは素麺のすばらしさである。パスタの場合、冷たいスパゲッティを作るのにアルデンテにゆでると、麺がしまって固くなる。かと言ってちょうどよい具合にゆでると、表面のぬめりを取るためにもみ洗いするだけでブツブツ切れるのである。また、冷たく冷やすのに氷水につけると塩味が簡単に抜けてしまい、しっかりとソースを絡めているのに味が中々決まらなかったりもする。

その点、素麺はちゃんと程よい固さにゆでたものをしっかりともみ洗いしても切れないし、氷水につけて冷やしても、流し素麺で流水から引き上げても、つゆに絡めるだけで十分に美味しく食べることが出来る。

これは多分、原料に「塩」が使われているかどうかに関係するのだろう。現在作られているスパゲッティ類のほとんどは「粉と水」だけで作られている。機械で練って機械で成形して乾燥させるものがほとんどなので、塩を加えて生地が固くなると機械に負担がかかるからだ。一方、素麺は粉に塩水を加えて練り、手で延ばす作業を繰り返した後に乾燥させるというものが多く、機械化された場合でも風味を損なわないように「粉、塩、水、油」の昔ながらの配合で作り続けているメーカーがほとんどである。

 

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夏の頂き物は、ビールより、コーヒーやジュースより、素麺がうれしい。

自分で買うよりずっと美味しいものが食べられる。

 

ゆでる際に塩で麺に下味を付けてソースと和えるパスタと違い、素麺は塩を加えてしっかりと腰のある麺を作り、ゆでるうち、もみ洗いするうち、冷水で冷やすうちにある程度塩が抜けてちょうどよくなるということなのだろうと一人で納得しながら、当分の間休日の昼食は文句を言われても簡単に麺で済ませてしまおうと考えている。