【半歩プロの西洋料理】一人でできるかな?TAの挑戦 part1
<森脇>・・・っえ?もう始まってるの??どうしよう、どうしよう。
<前田>何あわててるの?・・・っえ?もう始まってるってか!
<前田><森脇>どうもみなさん、開始早々失礼いたしました。
<前田>今回は辻調理技術研究所でTAとして頑張っている森脇さんに登場していただき、自分で考えた料理を披露していただきます。TAというのは「ティーチングアシスタント」の略で、職員の補助や学生の指導などを行うスタッフです。
それでは森脇さんよろしくお願いします。
<森脇>よっ、よっ、よろしく、お...ね...ね...願います!
<前田>・・・(大丈夫かな・・・)では、自己紹介を。
<森脇>改めまして、皆さんこんにちは。技術研究所西洋料理班でTAとして仕事をしている森脇桃子です。1年次は辻調理師専門学校のカフェクラスで勉強し、その後技術研究所に進学しました。卒業後、教えるという仕事の楽しさや醍醐味に興味を持ち、TAの試験を受験しました。願いがかなって合格し、現在同校で先生方のお手伝いをさせていただいています。
TAの仕事を通して思っていることは、「常に前向きで頑張るぞ」っていうことです。今、技研で頑張っている研究生たちを目の前にしていると、昨年の私を思い出します。
失敗して先生に怒られ、凹んで・・・。
でも、その失敗が、次の成功を生み出す。
頑張ればきっといい結果が生まれる。
私も研究生に負けないぞという気持ちで毎日充実した日を過ごしています。
辻調の職員になれるよう、これからも頑張ります!
<前田>(緊張しすぎだろ!おまけに言葉が固いぞ!!)・・・よろしくね。
今、森脇さんは技研でTAとして仕事をされていますが、調理師学校、技研と2年間の勉強を通じて思い出に残ってることってどんなことですか?
<森脇>えっと、えっと・・・みんなでご飯食べに行ったことです!
<前田>(違うだろ!)森脇さん・・・ちょっと違うよ。2年間の料理の勉強での思い出だよ。
<森脇>だから、みんなで食べ歩きに行ったことです。楽しかった~。
<前田>そうね・・・で、授業で印象に残っているものは?
<森脇>私はイタリア料理が好きで、もっとイタリア料理を勉強したいと思っています。イタリア料理といえばいまだにパスタという印象が強いと思いますが、パスタ以外にもいろんな料理やお菓子があるんですよ。
<前田>ほうほう、例えば?
<森脇>ティラミスにパンナコッタ、ズコットにカッサータ、それと~・・・
<前田>あの~、すべてお菓子なんですが・・・
<森脇>だって私の実家お菓子屋さんなんです。
<前田>(しまった、質問の仕方間違えた・・・)料理での印象は?
<森脇>そうですね。リゾットですね。日本ではお米は炊くという調理法ですが、イタリアでは煮るという調理法を使って、おいしいお米料理を作っているのには感激しました。中でも、ミラノ風リゾット。サフランという香辛料を使って黄色い色を出したり、牛の骨髄を仕上げに入れたり、とてもびっくりしました。でも、最近はいろいろな問題があって、骨髄は使わなくなっていますよね。
<前田>そうだよね。残念なところですよね。
<森脇>今回はサフランの色を付けたリゾットを作りたいと思い、それに合う素材は何かを考えてみました。そこで、海老を使ってリゾットを作ってみました。
<前田>ほほ~う、で、工夫したところは?
<森脇>普通に鶏のだし汁を使ってリゾットを作ってもと思い、鶏のだし汁ではなく、海老のだし汁を取って作ってみました。エビの殻って普段はすぐに捨ててしまうじゃないですか。せっかく味も出るのに、もったいないじゃないですか。
<前田>(えらい!しっかり考えてる!)
<森脇>あとは、少しでもきれいにそしてパーティーなどに使えるように盛り付けてみました。それがこちら、いかがですか?
<前田>モグモグ・・・ホヘッ?
<森脇>・・・もう食べてる・・・あの~、先生?まだ、皆さんに出来上がり見せてないんですけど・・・
おいしそうで何よりです・・・
皆さんもぜひ挑戦してみてください。
<前田>森脇さんお疲れ様でした。ここからは少し真面目に行きたいと思います。
まず自分なりにこの料理に対して、一生懸命考えてきていると感じました。
どうしたら美味しくなるのか、どうしたらより良くなるのかなど。
では、僕から見た料理の感想(評価とまではいきませんが)を伝えておきましょう。
まず、どんな料理にも基本となる分量があります。一つの料理書を見てそれだけを信じるのではなく、どのような分量があって、どのような作り方をしているのか、いろんなレシピを調べてみてはどうでしょうか。そうすれば、分量だけでなく、いろんなつくり方、考え方が見えてくるのでは?
料理のほうですが、米の炒め方が弱いように感じられました。もう少ししっかり炒めて、煮崩れ防止のための壁を作ることが大切です。また、海老のだし汁の味が若干薄く感じられました。頭が付いた状態の海老であれば、もう少し味が出たかもしれませんが、もし頭がない場合は、殻を一度炒めるなどして香ばしさを出してもよかったのでは?あとは、最後のバターを加える時のリゾットの濃度。油脂分が入ると多少は柔らかくなりますが、表面が波打った状態でないなら、水分(だし汁)を加える必要があります。その状態をもう少し勉強してみてください。
これからも楽しく料理の勉強を続けてくださいね。
今回は本当にお疲れ様でした。
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