【好吃(ハオチー)!中国料理】中国ハムなんて作れるの?パート2
塘:今回も前回に引き続き中国ハムの製造工程のレポートを。
池田:そうそう、びっくりしました。屋上に行ったら、いきなりあんなもんがぶら下がっているので。
塘:まぁ、びっくりしたと思う。写真じゃわかりにくいけど屋上の通路の曲がり角、曲がってすぐのところにちょうど顔に当たる高さにぶら下げているので、あれが突然目に飛び込む。まあ慣れてもらうしかないね。
池田:塘先生が製作し始めて3月2日現在で5週目。だいぶ香りがハムに近づいてきましたね。
塘:はい、何とかうまくいきそう。それでは3週目からのレポートを。
塩漬けし始めてから3週間。肉の締まり具合を指で押して漬かり具合を見ます。
生肉とは違う弾力が出てきます。表現が難しいけど、かかとの真ん中をを押したときの感じかな。
充分塩が全体に行渡ったと判断したら表面をタワシで洗います。
洗ったら水分を布巾でしっかり取ります。
スネのところに枝肉をぶら下げるために穴が開いているのでそこに紐を通し、
絶対に落ちないようしっかりと紐を結ぶ。
中国のハムなので紐は赤にしてみました。
風が良く通り日の当たらないところを選んでつるす。
下の写真はちょうど1週間目。塩が吹き出て、表面が乾燥してカサカサになり、白くミイラみたいになります。
上はアップ写真。かなり塩が吹き出て、白く乾燥している。塩が吹き出る分には大丈夫ですが、このまま干し続けたら乾燥により表面が更に荒れ、身が縮み、裂けてくるので、いったん表面を清潔な布巾で拭きます。
ここでラードを薄く塗る。身がさらけ出している部分は厚めに。言わば保湿クリームみたいなもの。こうすると表面が荒れない。たぶん更に乾燥してくるとまた塩が吹き出て荒れてくるので。そうなったら、また表面を拭いてラードを塗るを繰り返します。
ラードを塗ると表面がテカテカになります。屋外につるして干し続けます。今の状態はイタリアの生ハムみたい。時間がたつと、表面が琥珀色になり、本物らしくなります。今回はこれまで。
今後も定期的にその後の経過をリポートしていきます。
塘:ものはためしに、少し表面をナイフで削って食べてみました。
池田:5週間前の塩漬け肉を食べたんですか?どんな味ですか?
塘:うん、おいしかったよ。それほどにはしょっぱくない。熟成も進んでるみたいだ。
池田:「熟成」って?
塘:うん、本当はね、だいぶ濃い目に塩漬けしたのでとても塩辛いはずだけど、時が進むにつれ、たんぱく質が自然分解し様々なアミノ酸になる。つまり、旨味が強くなるわけです。そうなると塩辛さが和らぐので、そんなに塩辛さを感じない、つまりこういうのを「熟成」と表現するのだよ。中国ハムはカチカチに乾燥するまでの約8ヶ月間充分熟成する時間があるのでアミノ酸(旨味成分)が身の間に貯まり、時には白い点々のように析出(結晶化)する場合があります。
池田:なるほどね、よくわかりました。
塘:でも正直食べるのは・・・。真似しちゃだめです。中国でもほとんど火を通して、殺菌して使用します。
池田:だれも真似しませんて!
塘:そうそう今回のレシピは春巻きです。
池田:私の実家では、家で作る中華の揚げ物といえば唐揚げでした。「春巻きは買ってきたものを家で温め直して食べるもの」という感覚で、当時はそれをおいしいと思って食べていました。
しかし、辻調にきて自分で作った春巻きを食べたときには驚きました。「パリパリの皮にとろりとした餡・・・春巻きってこんなに美味しいものなんだ!今までの春巻きは何だったんだろう!?」と。
今回はそんな思い出のレシピをご紹介します。一度はチャレンジしてみる価値があると思います。是非、作ってみてください。
<コラム担当者>
池田 和司
<このコラムのレシピ>
五目春巻き