【好吃(ハオチー)!中国料理】シャキシャキ、サヤインゲンが食べたいな
塘:夏野菜が出回ってくる時期になりました。池田先生!何か夏野菜を使った料理を作ってくれないか?こうビールにあいそうなつまみ的なものとかない?くっといきたいねえ~。
池田:では、サヤインゲンを使った料理「乾四季豆」をご紹介します。
塘:「乾四季豆」。ふむふむ、また今回はプロっぽい料理だね、どんな料理か説明して。
池田:日本語で言うと「サヤインゲンの炒め物」です。炒め物といっても、ただインゲンを炒めたものではありません。乾という特殊な調理法です。
池田:炒め物は普通、材料の持ち味を損なわないように短時間で仕上げますが、この調理法は少量の油で比較的長く炒めます。そうすることで材料の水分をとばしてカリッとした食感を出し、材料のうまみを凝縮させ、その香ばしい香りを出します。
塘:ふむふむ・・・と言うことは「インゲンを少量の油で長く炒める」と言うことか?そんなことしたらインゲンのシャキシャキ感が無くなってしまうのではないか?
池田:いえ、実はインゲンはそのまま炒めないんです。
塘:炒めるって言って・・・炒めない・・・はて?これいかに。
池田:実は・・・、同じ調理法でも食材によってやり方が変わります。先ほどのようにそのまま炒めて仕上げるのは肉類が主です。
「乾牛肉絲」とかね、野菜を使う場合、野菜自体に水分が多いので、ただ炒めると水が出てきて水分が飛ぶころには野菜の色、食感が失われてしまいます。そこで、炒めるのではなく油で揚げてしまうのです。操作が少し違いますが、これも乾と言うのです。
塘:う~ん、同じ調理法でも肉と野菜では作り方が違うなんて・・・。中国料理は奥が深い!!では今回の料理のおいしく作るためのポイントは?
池田:ずばり、サヤインゲンを揚げる時の油の温度です。
一般に野菜を入れるときの油の温度は中温と言われています。
スナップエンドウを油通ししているところ。(中温)
色、食感を損なわないように150℃~160℃で揚げます。油の反応はふちから軽く泡が出るくらい。
その後、スープで煮たり炒めたりします。
しかし、サヤインゲンは高温で処理します。「じょばばばばあ」って音がします。
池田:タケノコや油を吸いやすいきのこ類なども同じようにすると一味違ったものになります。表面は水分を失い、しわだらけになりますが、そのかわり調味料が絡みやすくなる。そして中身は野菜本来の状態を保ち、みずみずしいまま。
塘:ふむふむ。
池田:もうひとつのポイントは炒め方です。薬味を焦がさないようにしっかり炒めることで香ばしさが出ます。インゲンは揚げて火が通っているので長く炒めず、手早く仕上げます。炒めすぎるとシャキシャキ感が無くなってしまいます。
塘:なるほど。シャキシャキとしたインゲンの食感に薬味の香り・・・。想像しただけでビールがほしくなる。よし、今夜はコレをあてにビールを飲むぞ!!
池田:仕事に差し支えない程度にお願いしますね。
<コラム担当者>
池田 和司
<このコラムのレシピ>
サヤインゲンの炒め物
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