【好吃(ハオチー)!中国料理】台湾のスイーツ
塘:夏の暑い盛り、なんかちめてぇ~もんが食べたいな。
高橋:そうですか。では、うってつけのを紹介しようかな。僕は台湾のスイーツがとても好きなんで、その中から何か1品ご希望のもんを選んでください。
まず、定番のブラックタピオカ入りミルクティー、甘くて温かい豆腐のデザート、モチッとツルンとした食感の愛玉子のゼリー、ボリュームたっぷり具沢山かき氷などがありますが。
塘:ほう、面白そうだね。じゃ、かき氷がいいかな・・・。台湾のかき氷にしよう。日本のかき氷とどう違うの?
高橋:まず量が違いますね。台湾のかき氷は、とにかく量が多いんです。日本では御飯茶碗ぐらいの器に一杯分ぐらいが普通ですが、台湾ではカレー皿ぐらいの器に山盛りで出てきます。
塘:へぇー。それ、何人で食べるの?
高橋:大体1人で食べてますね。たまにカップルで分けて食べているのを見掛けましたけど。
塘:日本では、考えられないボリュームだね。
高橋:蒸し暑い台湾では、暑さをしのぐために毎日、かき氷や冷たいものを食べます。みんながみんな、かき氷を食べるので、『医者よりも氷を売った方が儲かる』と言う言葉があるそうですよ。
塘:へぇー。
高橋:次にトッピングも種類が多いですね。日本だとシロップ、ミルク、小豆、白玉、アイスクリームぐらいですが、台湾では大きめにカットした色々なフルーツ、タピオカ、甘く炊いたサツマイモ、色んな種類の豆類、芋で作った団子に、ゼリーに、杏仁豆腐にプリンもトッピングします。
塘:杏仁豆腐ってトッピングにもなるんだ・・・。どうやって注文するの?
高橋:まずベースとなるかき氷を注文します。例えばイチゴのかき氷としましょう。お店の人がイチゴのかき氷を作った後、トッピングをどうするか聞いてきます。トッピングはショーケースに何種類も並べてあり、欲しい物を指差せば、盛ってくれます。これで、自分だけのスペシャルイチゴかき氷の完成です。最後に、ベースのかき氷にトッピングごとの料金を足したものを支払います。
塘:これだと、毎日食べても飽きることはないね。
高橋:変わったところでは、ピーナッツ、コーンの炊いたものなんかもあります。これがそうですね。
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塘:これ、カレーじゃないの。
高橋:一見カレーライスに見えますが、コーンとピーナッツのかき氷です。台北にある『楊記』という店がコーンのかき氷を考え出しました。実際食べてみると、コーンとピーナッツは甘く炊いてあり、プチッとした食感とホクッとした食感もかき氷によく合っていて、見た目以上に美味しいです。
こっちの写真はマンゴー、キウイ、イチゴの3種類のフルーツとたっぷりのコンデンスミルクがのっているかき氷です。基本的にかき氷よりもトッピングのフルーツのほうが多いです。
塘:本当だ。下のかき氷が見えない。・・・って言うか、のせすぎだろう~、どうみても。
高橋:このかき氷は、「冰館Ice Monster」の名前で(※現在、永康15という名前になっている)、日本でも話題になったマンゴーかき氷をはじめて出したお店のものです。観光客や地元の若者、家族連れなどで常に行列が出来てます。マンゴーが無い11月から3月はイチゴかき氷があり、こちらも人気です。
あと、氷の種類も日本より多いんです。水を凍らせた氷はもちろん、かき氷とトッピングを一緒にミキサーで混ぜ、シャーベット状にした「泡泡氷(パオパオピン)」、ミルクや練乳を合わせて凍らせて削った「雪綿氷(シュエミェンピン」、「雪花氷(シュエホワピン)」などがあります。
台湾の方の美味しいかき氷を食べたいという情熱が、トッピングの種類を豊富にし、氷の食感までこだわり、かき氷を進化させたのだと思います。
塘:なるほどねえ~。ところで、今回はどんなかき氷かね。
高橋:今回はマンゴーを贅沢に使ったかき氷です。氷は、ミルクを凍らしたもので作って見ましょう。
塘:うお~、パチパチ(拍手)。普通のものとどこか違うの。
高橋:ミルクを凍らして作ったかき氷は、普通の氷で作ったものと違って食感が柔らかい、ふわふわの綿雪みたいな感じに仕上がるんですね、不思議と。それで、中国語で「雪綿氷」や「雪花氷」と言います。違いといえばそこだけなんですけど・・・。
ただ、溶けやすいので早く食べなければなりません。だから欲張って山のようにかき氷を積み上げてしまうと、食べる時に溶けて崩れる。非常に厄介です。少し急ぎ目に食べてください。
塘:頭が痛くなるか、溶けてなくなるのかどっちかですね。これはある意味戦いです。「侍」の食べ物といえるか。
高橋:・・・そりゃ言いすぎでしょう。
<コラム担当者>
高橋 良輔
<このコラムのレシピ>
ふわふわマンゴーカキ氷
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