【好吃(ハオチー)!中国料理!】乾貨ガンフオ vol.2 キクラゲを使って
また今年も暑い夏がやってきました。暑さに負けずに元気にひと夏乗り切るためにも!
今回は冷たくてさっぱりと食べられるデザートをご紹介します。
前回にお知らせしたように今回のメイン食材も乾貨(乾物)です。
乾物で、デザート?と思われるかも知れませんが、今回は温かくしても冷たくしても使え、
戻し方も簡単な食材、「キクラゲ・白キクラゲ」を紹介したいと思います。
これは、前回の [好吃(ハオチー)!中国料理!]
https://www.tsujicho.com/column/cat658/post-260.html
で説明のあった<山珍>の一種になりますが、 このキクラゲ、近年国内でも栽培されており、スーパーなどでも生のものも手に入りやすくなってきました。風味や食感も乾燥品とは違った楽しみがありますね。
一方、白キクラゲはまだまだ乾燥品のほうが主流です。
今回は、この白キクラゲを使ってデザートを作っていきたいと思います。
<キクラゲ>
写真:キクラゲ(手前)、アラゲキクラゲ(奥)、白キクラゲ(真ん中)
中国ではキクラゲを「木耳(ムゥ アル)」、白キクラゲを「銀耳(イン アル)」と呼ぶようです。それぞれの特徴を記します。
まずは、
「キクラゲ」
ご存知の方もいらっしゃるとは思いますが、形が耳のようなので木耳。また、歯触りがくらげに似ているのでキクラゲといいます。
形が大きく、裏面に白く細かい毛が生えているアラゲキクラゲと、小さく全体の色が黒いキクラゲが食用になります。
アラゲキクラゲは大きく硬いのが特徴。戻すとコリコリとした歯切れのよい食感があるので、
細切りにして和え物や点心の餡の中に入れ、歯ごたえをよくするのに使用します。
キクラゲは小さくアラゲキクラゲほどコリコリとした食感はないのですが、滑らかで弾力があるので主に炒め物に使います。また、黒色ということで彩りのアクセントにも重宝する食材です。ただ、その食感を生かすために加熱時間には十分注意をします。加熱しすぎると水分がなくなってクタッとなり、食感の面でキクラゲを使う意味がなくなってしまいます。
次に今回の料理でも使用している、
「白キクラゲ」
中国語では銀耳の他に白木耳(パイムゥアル )、雪耳(シュエアル)とも表記されます。乾燥品は淡黄色ですが、戻ると純白になり、食物繊維とミネラルが豊富です。1960年代に台湾で人口栽培が確立されるまで、銀と同じ価格で取引をされるほど高価でした。独特の臭みがあるので流水にさらしたり、鍋でふきこぼしたりする等して臭いが残らないようにして戻します。スープで味をつけて料理に、シロップに浸けてデザートにしたりします。
<製法・流通>
キクラゲは生育適温24~32℃、湿度90~95%で栽培でき、生のものは5~9月に流通し、ほぼ通年乾燥品としても流通しています。
白キクラゲは日本では関東以南で自生していますが、中国から輸入された乾燥品が出回っています。
<選別>
「キクラゲ」
アラゲキクラゲは大きく、表面が黒く裏面は白いもの、キクラゲは表面の黒く艶やかなものを選びましょう。
「白キクラゲ」
ひだが詰まり、黄金色のもの。白いものは漂白されていることもあります。ただし、古いものは戻しても白くならないことがあるので注意が必要です。
いずれもよく乾燥しているものを選ぶといいでしょう。
<保存>
いずれも密閉できる容器で保存をしてください。
<戻し方>
「キクラゲ」、「白キクラゲ」 は 共に前回紹介のあった「水発① (冷水に浸ける) 」で戻していきます。
水発①:水に浸けただけで食べられる柔らかさになるものが該当します。(キノコ類)
「キクラゲ」
1.30分ほど水に浸け、十分に水を含ませる。
2.石突き(硬い部分)を取り除き、細かいゴミや埃が付着しているので片栗粉(適量)でよくもみ、
水でしっかりと洗い流す。
※ 重量は アラゲキクラゲが約3倍、キクラゲが約5~6倍に増加します。
「白キクラゲ」
1.キクラゲと同様に水で戻す。石突き(硬い部分)を取り除き、水でしっかりと洗う。
2.鍋にたっぷりの水と一緒に入れ、沸いてくれば水を換え、2~3回繰り返して臭いを取り除く。
※ 重量は約5~6倍に増加します。
<補足>
それぞれ急いで戻したいときはぬるま湯を使うと、水に比べ半分の時間で戻せます。
また、多く戻し過ぎた場合は、水に浸けて冷蔵庫で保存が可能。その場合は、毎日水を換える必要があります。
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