【好吃(ハオチー)!中国料理】トンポーロウって実は人の名前だった!?
「好吃(ハオチー)!中国料理」を担当します、河野篤史です。
今回のテーマは「中国で有名な肉料理」ということで、「東坡肉(トンポーロウ):皮付き豚バラの角煮」を紹介します。
「東坡肉」
料理の由来は諸説ありますが、中国の宋代の文人蘇東坡(スゥ トンポー)が豚肉の料理を好んだことにちなむと言われています。
蘇東坡が杭州で官吏をしていたころ、民衆を指導して西湖の工事を行い、その時に民衆から感謝の気持ちを込めてたくさんの豚肉を贈られました。
そこで、彼は自宅の料理人に命じました。
「この豚肉を小さな塊に切り分けて角煮を作り、紹興酒と一緒に各家庭に送り届けなさい。」
しかし、うっかり者の料理人がこの命令の「酒と一緒に送る」を「酒と一緒に煮込む」と間違ってしまいました。
ところが出来上がった角煮は大変美味しくて、民衆は彼の振る舞った料理を絶賛しました。杭州の人々はこの料理を「東坡肉」と名付け、料理店でも作られるようになったと伝えられています。
蘇東坡の豚肉好きは有名で「弱火、少しの水、火加減が適切なら自然に美味しく出来上がる」という詩を書いています。
そして東坡肉は中国から日本に伝わり、長崎県の焼酎と醤油とみりんなどで味付けした卓袱(しっぽく)料理の「東坡煮(とうばに)」や、沖縄の泡盛と黒糖と醤油などで甘辛く味付けした「ラフテー」の起源になったと言われています。
東坡肉はこのままでも美味しく食べる事ができますが、「花巻(ホワヂュアン)」や「荷葉餅(ホーイエピン)」などのふわふわパンを添えて提供されることもあります。
花巻
荷葉餅
●花巻
発酵生地を長方形にのばして端から巻いて成形した蒸しパンで、渦巻き模様が花に似てることから名づけられたと言われています。
●荷葉餅
はすの葉の形に似せた小麦粉生地で作られたもの。2種類あり、一つは発酵生地の蒸しパンで真ん中に切り込みが入っており、具を挟んで食べます。もう一つはクレープのように薄くのばしたもので、北京ダックを包む生地として有名です。
また、東坡肉は甘辛い味付けなので、中国では青菜を炒めて一緒に食べると料理のバランスがいいです。
この料理は調理時間がかかりますが、コトコト煮こむだけで完成するので、ぜひチャレンジして下さい。
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