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食のコラム&レシピ

【好吃(ハオチー)!中国料理】中国腸詰ってなぁに?

06<中国>好吃(ハオチー)!中国料理!

2016.04.27

<【好吃(ハオチー)!中国料理】ってどんなコラム?>



初めまして、今回コラムを担当させて頂きます鮫島貴洋です。

初のコラムということもあって、少し緊張していますが宜しくお願い致します。


冬の肉料理がテーマということで何を紹介しようかと考えたところ、

真っ先に頭の中に思い浮かんだ中国腸詰について今回はご紹介させていただきます。

なぜ真っ先に思い浮かんだのかと言いますと...

私が東京に食べ歩きに行った際、職場の先輩に教えてもらって行った台湾料理のお店がすごく印象に残っていました。

メインストリートを少し外れ、裏路地に入ったお店の扉を開けると...ずらりと並んだ中国腸詰が目に飛び込んできました。

中国腸詰

まだその頃には台湾などに行ったことがなく、

初めての光景に驚きを隠せませんでした。

もともと、広東料理が好きでしたし、この食材を使った料理がとても好きなので、

是非皆さんにも知って頂こうと思いまして選びました。


ここで少しばかり中国腸詰について触れていきたいと思います。

中国腸詰のことを広東語で香腸(ヒョンチョン)または臘腸(ラッ(プ)チョン)と言います。

一般的に牛・羊・豚肉をミンチ状にして塩、砂糖、醤油、酒、香辛料で調味し、羊・豚の小腸に詰めて干して作ります。

四川、広東その他各地で作られていますが、特に広東系では日常の食生活でも馴染み深い食材になっていて冬の食卓には欠かせない常備菜とも言われているそうです。

日本でも中華街に行けば簡単に手に入る食材です。

食べ方は、さっと蒸す、または茹でたあとに適当な大きさにカットし、

土鍋でお米と一緒に炊いて青野菜を添えた釜飯にするなど。(写真左)

また、蒸す、揚げるといった調理をしてからスライスした腸詰に、細切りにした白ネギ、

香菜(標準語ではシヤンツァイという)を加えれば前菜として美味しく頂けます。(写真右)

火を通すとお酒の香りが一段と増し、味もはっきりしていてお酒が欲しくなる一品です。


 


中国腸詰は学校で習うメニューでも、蒸し物、炒め物、煮込みと幅広い料理の材料に含まれています。

腸詰を調べていく中で、製造方法によって中国腸詰は大きく2種類に分けられていることがわかりました。

香腸と呼ばれるものと、灌腸(クンチョン)と呼ばれるものです。

『中国食物事典』(洪光住監修、田中静一編著、柴田書店、1991年)によると

まず、香腸ですが、中国式腸詰とされ、材料や作り方は既述の通りで私もよく知っている腸詰です。

これに対し、灌腸とは西欧型腸詰と言われています。灌腸は清朝末期ごろに西欧から伝来した腸詰類で、材料や腸に詰め込むといった工程までは香腸と同じですが、香腸が風乾仕上げが多いのに比べ、灌腸には、水煮、焙乾、燻煙という工程がある点が異なります。


作り方、歴史に触れたということで次に

臘(ラッ(プ))、臘味(ラッ(プ)メイ)について...
『中国食文化事典』(中山時子監修、角川書店、1998年)によると
臘とは動物性食品を漬けてから干すことをいいます。

元来、臘は十二月のことで、食品の腐りにくい冬季に仕込んだことからこの名がついています。臘味とは、漬けてから干した食品のことをいいます。


今回私が紹介する臘腸の他に、以前、藤田梢先生がご紹介された【干し肉とトックの炒め物】にも出てきた臘肉(ラッ(プ)ヨッ(ク))もこの中に含まれます。

一般的に豚肉を使った中国腸詰が多いですが、あまりない珍しい鴨肉を使って中国腸詰を作りたいと思い、今回はオリジナルの鴨肉の中国腸詰を自家製で一から作りました。また、それを使った料理も一品ご紹介したいと思います。


初めは、豚肉と鴨肉をブレンドして詰めたものと、鴨肉だけを詰めたものを作りました。

豚肉を入れると確かにおいしくはなりますが、鴨らしさがなくなってしまいました。

それに比べ、鴨肉だけのものはコクがなく、角切りにしたものに調味していたためか全体が上手くつなっがていなくて、食感がイマイチでした。そこで、コクを出すために鴨の肝を加え、食感をよくするために角切りからミンチ肉に変えて作ったところ、上手くできました。

鴨肉は脂の融点が低いため干すときに温度帯が高いと溶けてしまうので、やはり寒くなったこの冬の時期に仕込まないといけないと改めて思いました。

試行錯誤を繰り返してオリジナルの鴨肉の中国腸詰を作りましたので、完成度が高くなったと思います。

皆さんも是非ともチャレンジしてみてください。