【ベンチタイム】塩って?
A(浅田):今回は、パン作りに欠かせない4つの基本材料の中の塩について紹介します。
M(松井): 最近はスーパーにも、精製塩、岩塩、海塩、粗塩などなど、たくさんの種類の塩が並んでいます。国産から外国産まで、産地も製法もいろいろで、選ぶときにいろいろ悩んでしまいますが、パン作りに向き不向きな塩はありますか?
O(尾岡): パンを作る時、塩は水に溶かさずに粉に混ぜて使うのが一般的なので、粒が粗いと生地に均等に混ざらない可能性があるので、粒子が細かくて溶けやすいものがいいですね。
A:では、パン作りにとって塩の役割は?
O: 一番は塩味!
M: 実は以前に、塩を計量するのを忘れてしまって、そのまま気付かずにパンを作ってしまったことがあるんです・・・。出来上がりを食べてみたら、全く味がしなかったんです! 塩味のしないパンってこんな味なのかとビックリ。それと味以外にも、いつもと違うなぁって思ったのが、発酵するのが速いのと、生地がベタベタで手にくっついて扱いにくかったことなんです。
A: そうそう。塩には生地の発酵速度をコントロールしたり、グルテンの粘りと弾力を強めたり、雑菌の繁殖を抑えたり、味以外にも重要な役割がありますね。
O:じゃあちょっとここで塩が入っていない生地、2%入っている生地、4%入っている生地を使って、1時間後の発酵具合を比較してみましょう。
(写真左)発酵前。左から順に0%、2%、4%の塩が入った生地
(写真右)発酵後。左から順に0%、2%、4%の塩が入った生地
M: 左の写真はこね上げ直後で、3つの生地に違いはありません。右の写真は1時間後です。塩の量が増えるほど、膨らみが悪くなっています。
O: 塩にはイーストの働きを抑制し、発酵速度をコントロールする役割があるので、塩が入らない0%の生地ではイーストの働きを抑制するものがなくイーストは自由気ままに活動するため、生地はどんどん膨らんでいきます。反対に塩が4%入っている生地ではイーストの働きは抑えられ過ぎてしまい、生地の膨らみは悪くなります。そして真ん中の2%の生地は適度にイーストの働きを抑え、適切に働ける環境になっています。さらに、一番の目的である程よい塩味がつくのは2%なのです。
M: あと、塩といえば、お家でパンを作るときは少ししか使わないことがほとんどなので、持ってるはかりでは量れない、なんてことありませんか?
O: そんなときに便利な方法をご紹介しています。他にもイーストや香辛料など、少量のものを量る時にも使えますよ!
A: さあ今回で、4つある基本材料のうち3つが終わりました。次回はいよいよラスト。テーマは水です。基本材料の4つを使って作るフランスパンの作り方を一緒に紹介しますので、お楽しみに~。