【ラ・ミーア・マンマ!イターリア!! 】ナポリからの贈り物
<【ラ・ミーア・マンマ!イターリア!!】ってどんなコラム?>
昨年末に学生の研修旅行の添乗でイタリアに行きました。12月といえども本当に暖かかったです! さすが南イターリア! わずかな時間の滞在にもかかわらず、下町のスパッカナポリ(「ナポリ真っ二つ」という意味で、旧市街を南北に分けるように横切っている通り)など、学生たちも満喫したようでした。
さて、ナポリといえば、カンパーニア州の州都で……などという地理的なことはおいておき、今回はナポリを中心としたカンパーニア州を代表する食べ物をテーマにしまーす。
ナポリを代表する食べ物といえば、まずはピッツァがはずせませんよね。トマト、モッツァレッラ、バジリコをのせたマリゲリータや、トマト、にんにく、オレガノ風味のマリナーラは、シンプルながらもナポリっ子には高い人気を誇ります。
そのほか、カンパーニア料理としては、アックア・パッツァ(魚を丸ごと煮込んだ漁師料理)、お菓子としてはスフォッリアテッレ、ババなどが有名です。ナポリから少し離れたソレントなどではリモンチェッロも!
皆さんはいくつご存知でしたか? 実際にナポリを代表する食べ物を尋ねてみると、ちょっと世代が上の人なら「ナポリ? ってどこ? イタリア料理? ああ知ってる! ナポリタン!」といった感じでしょうか。ちなみに私も小学校までは、スパゲッティ=ナポリタンってな具合で、それ以外の食べ物はほとんど知られていなかったのでは。私にとってナポリタンは喫茶店で食べられるすごーいご馳走!!でした。
でも、現在!!! 辻調に入学してくる学生に聞いてみると、「ピッツァ、ババ、アックア・パッツァ……知ってる!」「食べたことある!」という答えが多いんです。でも、ナポリタンは知らない……
個人的な思い入れもあり、授業で時々「ナポリタン」を学生に教えます。だって、「おじさん」は「ナポリタン」大好きですから。いつか機会があれば、小林風ナポリタンご紹介しますね。
スパゲッティ・ナポリタン。パルメザンチーズをかけるとよりおいしい!
話が脱線しましたが、実は「スパゲッティ・ナポリタン」はナポリにはありません。ではナポリでスパゲッティ・ナポリタンのような料理は本当にないのでしょうか。
実はあるんですね。「ラグー・ナポレターノ」というのがそれ。イタリア人に習ったその料理がどのようなものか、どのようにして食べるのか、ご紹介しましょう!!!
ラグー・ナポレターノとはそのまんま、ナポリ風の煮込みという意味で、豚肉や牛肉、羊肉をトマトソースで煮込んだものです。煮込んだ肉をセコンド・ピアット(メインディッシュ)として食べます。私がイタリア料理を習ったセルジオ・ザネッティ氏に聞いたところ、「豚より牛のほうが絶対おいしい!」とのことだったので、今回は牛肉を使ったレシピをご紹介します。地方料理のバイブルともいうべき「Le ricette regionali italiane(レ・リチェッテ・レジョナーリ・イタリアーネ)」 にも、豚肉と牛肉のレシピがどちらも掲載されています。材料や分量はほとんど一緒で、バジリコが入るか入らないかの違いでした。
肉はメインディッシュで食べるとして、煮汁はどうするか? これは、フジッリ、パッケリ、ヴェルミチェリ、ペルチャテッリなどのパスタと和えて、メインディッシュの前に食べることが多いんです。つまり、煮汁はソースとして別の料理にするわけで、1つの料理でパスタ料理とメインディッシュが食べられるなんていいですよね。
ちなみに、ナポリ風と名前につく料理はトマトが使われたものが多いんですよ。
日本のイタリア料理は、アメリカに移住した南イタリア人の料理が、アメリカ経由で伝わったれたものといわれています。こういったラグー・ナポレターノのような料理がもととなって、今の日本でのスパゲッティ・ナポリタンとなったんじゃないかなーーと。
今回、ラグー・ナポレターノに添えるパスタは、スパッカナポリをかけてスパッカテッリにしてみました。
BUON APPETITO !!
<コラムの担当者>
小林孝至
<このコラムのレシピ>
ラグー・ナポレターノ
スパッカテッリ
<バックナンバー>
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