【それゆけ!じゃぱに~ずクッキング♪】 蛸で日本料理
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●酢だこ●
麦わら
「麦わら」といえば!アニメファンなら「ルフィー」ですよね(^ ^;)
でも、和食の世界で麦わらといえば、「麦わら蛸」や「麦わら鯛」が出てきます。一般の人は、聞きなれない呼び名でしょう。
麦わら蛸?麦わら鯛?この説明をする前に「麦秋」について説明しておかなければなりません。「麦秋」と書いて「ばくしゅう」と読みます。
麦が初夏の頃になると黄金色に実り、まるで秋に収穫される稲のようなので、麦の秋と書いて麦秋と表現します。麦わらとは、収穫されたあとの麦の穂の部分を意味しています。
では、なぜ、麦わら蛸と麦わら鯛なのか?実は、この二つの言葉は、相反する意味を持っています。
鯛という魚は、桜の咲くころに産卵を迎え、色も美しく、身は美味しくなる旬にあたります。でも、旬を過ぎて麦が収穫されるころには、産卵後で味も悪くなっています。ですから、麦わら鯛は、美味しくない鯛を表しています。
逆に、麦わら蛸は、麦が収穫されるころから、産卵を迎える秋ごろが美味しくなるので、麦わら蛸といえば美味しい蛸を表すのです。
さて、ここから本題ですが、蛸について、ちょっと雑学をお話します。
蛸は欧米では悪魔の魚として敬遠されていますが、一部の国では料理に取り入れられ、食されています。日本では、特に関西方面では、明石あたりで漁獲される真蛸を「明石蛸」と呼んで珍重します。
蛸を使った料理は、柔らか煮、おでん、天ぷら、蛸めし、寿司、たこ焼きなど、たくさんありますが、今回ご紹介するのは「酢蛸」です。学校の授業で酢蛸を教えるときは、活きている蛸を下処理して、ゆでるところから教えています。
火が通りすぎることなく、色よくゆであがった蛸は、歯ごたえもよく、うま味も十分にあり、酢とからむことで、実に美味しくなります。夏に食欲がないとき、胡瓜と一緒に取り合わせると、お箸がすすむ一品になります。
また、蛸には豊富な栄養素が含まれていますが、特に、タウリンを多く含んでいるので、健康な体を保つのに役立つ栄養素です。
ところで、いか墨はパスタなどに使用しますが、たこ墨は使用しませんね。これは、蛸の墨は取り出しにくく、量が少ないために使用されていないだけのようです。
さて、今回はそんな蛸を使って、酢蛸の作り方を松島先生が紹介してくれます。お家でも、ぜひ作って食べてみてください。
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