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毎日新聞連載 -美食地質学入門- 第27講「イカ」

新聞
美食地質学入門

2020.08.05

8月4日(火)の毎日新聞(夕刊)に美食地質学入門が掲載されました。

テーマ食材はイカ
数あるイカの中でも佐賀県呼子の「剣先イカ」です。

▲剣先イカ
白眼・黒眼のある単眼で人間の眼に近いからでしょうか、こちらを見ているように思えてしまいます。

イカは日本だけでも140種類もいるそうですが、少なくとも食用にされるものはこれまた漁獲量が激減しているようです。
他の魚介類と同様に養殖も試みられているようですが、コストの面でまだまだ難しそうです。
簡単なことではないのですが、ほとんどのイカは寿命が1年ですので、特に産卵に関わる環境整備を行うことで資源の回復ができればいいのですが。

さて、イカはコウイカ類とツツイカ類に大きく分けられます。
今回のテーマの「剣先イカ」はツツイカ類に分類されます。

イカの仲間は呼び名がややこしく、同じ名前でもまったく違うイカを指すケースも多く、地域が変わると何を指しているのかわからないこともあります。

この「剣先イカ」も、たとえば石川県でアカイカ、鳥取県などでシロイカ、玄界灘でヤリイカ、山口県でマイカなどと呼ばれており、混乱してしまいます。

また、「剣先イカ」はさらに3つの型に分けられます。
(ゴトウイカ型、ブドウイカ型、メヒカリイカ型)


同じ「剣先イカ」ですが、ふ化した時期と生息場所によって体形に違いが出るようで、別物にしか見えません。

ヤリイカやアオリイカと並び高級イカとして取り扱われていますが、中でも佐賀県唐津市呼子は「イカの活造り」が世間に認知されて超有名になりました。

さて、呼子(よぶこ)の「剣先イカ」と地質の関係やイカに
巽先生と大引先生のお話は、新聞紙上及び毎日新聞ホームページご確認ください。


さて、味には定評のある「剣先イカ」。
今回の料理担当はエコール 辻 大阪の西洋料理・長谷川薫先生です。





▲前菜は"呼子のいか"を様々な火通しで~左上「いかそうめん」・右上「コンフィ」・左下「軽い燻製」・右下「パン粉焼き」


▲いかのファルシ


▲いかの煮込み、セート風

合わせるお酒は、佐賀県の矢野酒造株式会社さんからご提供いただいた「肥前蔵心(ひぜんくらごころ) 純米吟醸 無濾過生原酒(山田錦)」


リンゴのような華やかな香りと軽快で雑味のない上品な甘みに、発酵由来の炭酸ガスと有機酸が心地よく絡み合う贅沢な味わい。
今回は「剣先イカ」とお酒の甘み合戦の様相を呈していました。

次回9月のテーマはウナギ

どうぞお楽しみに。