毎日新聞連載 -美食地質学入門- 第29講「ショウガ」
10月6日(火)の毎日新聞(夕刊)に「美食地質学入門」が掲載されました。
テーマ食材は「ショウガ」。ショウガはその根の部分(根茎)を主に香辛料として利用します。
チューブ製品が幅を利かせてきましたが、スーパーなどであの茶色っぽいゴロゴロとしたいびつな形の根ショウガを購入し、すりおろして使うこともあると思います。ショウガの自給率は40%、残りは中国やタイからの輸入で、その内80%は中国からで、生鮮、塩蔵、酢調性、乾燥などの形で輸入されており、ガリなどに加工されて消費されています。
ショウガにも種類があり呼び方も複雑なのですが、今回は「小ショウガ」で夏の終わりごろに葉の付いたまま出荷される「葉ショウガ」に焦点をあてました。
新潟県、愛知県、滋賀県、奈良県、島根県など各地で栽培されており、中でも東京の谷中ショウガが有名ですが、今回は同じ東京ですが八王子の「八王子ショウガ」です。
「小ショウガ」は収穫してすぐの「新ショウガ」の状態で流通することがほとんどで、そのピンク色がさわやかさを感じさせてくれます。
初夏~夏の新ショウガはアントシアニン色素を多く含むため、酢漬けにすることできれいなピンク色に染まります。
この小ショウガを軟化栽培したものは、芽ショウガ(矢ショウガ)とも呼ばれ、ハジカミという名でも流通しています。
また、ショウガの天ぷらというと大阪では紅ショウガですが、地域によっては小ショウガ、新ショウガの天ぷらがあるようです。
さて、ショウガがどのように地質と関係しているのか、巽先生のお話は新聞紙上及び毎日新聞ホームページをご確認ください。
今回の料理担当はエコール 辻 大阪の日本料理、湯川先生。
メイン食材がショウガということで、かなり難しかったようです。
▲ジンジャエール
▲秋茄子の生姜味噌焼き
八王子ショウガは肉みその中にみじん切りで入っています。
▲生姜スティック揚げ、生姜かき揚げ
生姜スティック揚げは、八王子ショウガに豚肉を巻いて道明寺粉の衣のものと、イカの薄切りをまいて柿の種を砕いた衣の2種類。
かき揚げの具には、八王子ショウガの甘酢漬け、三つ葉、白葱。
▲秋刀魚生姜ご飯
▲生姜の佃煮
合わせるお酒は、同じく東京都の小澤酒造株式会社さんの澤乃井。
▲澤乃井「純米大辛口」
ショウガに負けないように純米のやわらかさと、引きしまった辛口を選択。
11月は掲載日が祝日のため、次回は12月でテーマは「フグ」。
どうぞお楽しみに。