毎日新聞連載 -美食地質学入門- 第56講「糸魚川の酒」
3月7日(火)の毎日新聞〔夕刊〕に「美食地質学入門」が掲載されました。
テーマ食材は、新潟県「糸魚川の酒」です。
『毎日新聞〔夕刊〕』
第56講 糸魚川の日本酒 水に溶け込む「裂け目」の履歴
https://mainichi.jp/articles/20230307/ddf/012/070/003000c
飲み比べに選ばれたのは、新潟県糸魚川・加賀の井酒造「加賀の井」と、渡辺酒造店の「根知男山」。それぞれに使われている水の飲み比べから味わう貴重な体験に、全員が興味津々に。同じ敷地内でも井戸の水源が異なるという不思議な話にも、地質に答えがありました。
巽好幸先生(ジオリブ研究所所長)による解説は、日ごろ食材を扱う料理人としても役立つお話がたくさんです。今回の対談は安場昌子先生(辻調理師専門学校)が担当しました。フォッサマグナは、私たちが学校で習っていた内容と違う!とびっくりする場面も。
料理担当は松島愛先生。助手は堀井翔先生がつとめました。チーム・テキパキ。
多くの食材を使った中で、これはなんだ?!と話題になったのは、糸魚川産の「親不知(おやしらず)もずく」。この風変わりな名前は、地名だそう。シャキシャキ食感が面白いです。
お料理は、雲子(白子)の揚げだしに始まり、ホワイトアスパラガスにほろ苦いふきのとう味噌を合わせた田楽を。そのあとは、合わせるお酒を変えて、鴨の炙り、親不知もずく雑炊でしめました。最後は、日本酒をしっかり利かせたゼリーですっきりと。冬から春への移り変わりを感じさせるお料理で、「糸魚川の酒」を存分に楽しみました。
美食地質学の連載は、4月からも継続予定です。どうぞお楽しみに。